国立大学法人制度運用等に関する国に対する要請事項等

 

I 明確な内容の政省令等の制定実現

 

@政省令等の確定にあたっては、国立大学法人法と最終報告(調査検討会議「新しい「国立大学法人」像について」)の趣旨に則り、国立大学における教育研究の特性に配慮し、国立大学法人の自主性・自律性を十分に尊重した、明確な規定とすること。

A国立大学法人法の施行に必要な政省令等の詳細制度設計については、法律制定後できるだけ早めに国大協と意見交換をすること。

Bとりわけ、国立大学法人評価委員会に関する規定については、上記@・Aの点について十分に配慮すること。

 

U 法人への移行過程における国の措置等

 

1 法人への移行準備に必要な経費の確保等

・労働安全衛生対応への経費、財務会計システム等の構築のための経費などを措置すること。

・出資財産(土地・建物等)の評価等に伴う諸経費を措置すること。

・国の組織から国立大学法人へ移行することに伴い、その円滑な実施が図られるよう、国として万全の措置を講ずること。

 

2 職員の適切な人事交流システム構築への協力

・各国立大学法人の人事権のもとで、職員の人材活用と組織活性化のための適切な人事交流システムの構築や国の機関との人事交流の円滑な実施への協力。

 

V 法人移行後の制度運用に関する事項

 

1 高等教育への公財政支出の充実

・中教審で検討中の高等教育のグランドデザインに基づく公財政支出の拡充

・基盤的研究・基礎科学的分野への基盤経費の充実

 

2 法人の財政的な自律性を高める観点からの適切な運用

・剰余金の処理における法人の経営努力の幅広い認定

・中期計画終了時の積立金の処分における法人の立場の最大限の尊重

・効率化係数等による運営費交付金の一律減額措置の排除

・運営費交付金の算定基準の明確化

・国立大学の存在意義を踏まえた適切な学生納付金の標準額の設定等

・土地処分収入の一定額の当該法人への留保

・収益を伴う事業実施に関する法人の判断の尊重

・寄附金、受託研究経費等の運営費交付金の算定からの除外

 

3 法人の実状に応じた確実な財政措置

・労災保険、雇用保険、各種損害保険等の保険料、各種手数料、監査に要する経費、事務系職員の採用試験実施経費など、法人化に伴う必要経費の確保

・設備及び施設の維持・保全に要する経費の運営費交付金への反映

・附属病院の施設整備に充てる資金の国立大学財務・経営センターからの円滑な借り入れの確保

・寄附金税制を含む現行の税制面での取り扱いの継続

 

4 国による各種損害の補填システムの整備

・自然災害及び火災等による被災施設等の復旧補填システムの確立(施設災害補助金等)

・通常想定し難い教育研究中の事故・医療事故等による賠償金等の財源補填への配慮

 

5 文部科学省の国立大学法人行政体制の整備等

・法人化された国立大学に対する大学の自由度を尊重した文部科学省の新しい責任体制等の整備

・中期目標・中期計画を前提とした事後評価を尊重する具体的な事務処理体制の整備

 

6 中期目標・中期計画における大学の自主性・自律性の尊重

・文部科学大臣が中期目標を定めるに当たって、大学の意見の最大限の尊重

・文部科学大臣が中期計画を認可するに当たって、大学の自主性・自律性の最大限の尊重

・中期計画について、大学の教育研究の特性を踏まえ、詳細な内容指定を排除

・年度計画の取り扱いについて、大学の教育研究の特性に十分配慮

・中期計画期間中における弾力的な計画変更を可能とする運用

 

7 国立大学法人評価委員会等による評価とその評価結果の活用方法

・国立大学法人評価委員会のもつ重要な役割に鑑み、評価委員の構成、評価の基準・方法等についての十分な配慮

・国立大学における教育研究を伸張する適切な評価の実施

・大学の教育研究の特性を踏まえた柔軟かつ多面的な評価の実施

・大学に過度な負担をかけない評価方法の実施

・評価結果に対する大学の意見申し立て等の制度化

・評価結果の資源配分活用への慎重な配慮

・年度ごとの評価結果を資源配分に活用することを排除

 

8 国立大学の特性を踏まえた国立大学行政の確立

・新連合組織(新国大協)と文部科学省との定期的な意見交換システムの構築

・監事の選任における透明性の確保

 

9 その地の要望

・教員の労働時間への専門業務型裁量労働制の適用(制度上の手当が必要な場合にはその手当)

・文部科学省や会計検査院への定例報告(計算証明等)、概算要求時の提出書類等の抜本的簡素化や大幅な事務負担の軽減