独行法反対首都圏ネットワーク |
http://www.sinsyakai.or.jp/html/html/seiron.html##030709 国立大学法人化法の成立に強く抗議する 2003年7月9日 新社会党 7月9日、国立大学法人化法案が成立した。これによって2004年4月から全 国で89の国立大学法人が発足する。そして、戦後日本の大学政策の基調である 大学教育の大衆化と学問の自由、大学自治は破壊される。 大学の法人化によって、国立大学の設置者は国ではなく、大学法人となり、 全職員が非公務員となり、債券の発行を可能としながら、大学経営の「自助努 力」が求められる。教授会は無力化し、学外理事を含む少数の役員会が最高意 思決定機関となる。また、学外者を過半数含む経営協議会が大学経営の実権を にぎる。文科省の「国立大学法人評価委員会」が大学経営の業績評価をおこな い、評価に基づいて運営費交付金が傾斜配分される。文科省は大学の「中期目 標」を示し、これを通して教育・研究内容に介入し、あるいは評価に基づいて 学長の罷免や大学の改廃を命ずることができる。また、大学は官僚の天下り先 となり、学科編成や授業料について、大学の「裁量」で「個性化」(学費の値 上げ)がすすむ。 産学提携が強化され、国家戦略にそった即効性のある研究が優遇される。 「審査」による再任拒否をはじめとする大学職員の人権無視と雇用の流動化が すすむ。 このように、大学法人化は、経営(利益)の立場にたった企業原理(大学間 の自由競争)の導入、公費補助の削減、研究内容による差別化、文科省による 統制強化をもたらすものであり、教育基本法改悪の動きと歩調を合わせた大学 教育制度の改悪である。 このような悪法を私たちは認めない。私たちは引き続き、すべての国民に開 かれた大学教育と学問の自由、大学の自治の確立をめざし、この悪法の廃止を めざして運動を進める。 |