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独行法反対首都圏ネットワーク

                        2003年7月7日
参議院文教科学委員会 委員各位

   国立大学法人法案の強行採決を行わず、審議を尽くされるよう求めます

                              東京大学職員組合

 国立大学法人法案の審議に関するご尽力に敬意を表します。

 聞くところによれば、現在貴委員会で審議中の国立大学法人法案等6法案について、来
る8日の委員会質疑後に採決を行うよう提案がなされているとのことです。
 この法案をめぐっては、4月に国会審議が始まって以来、次々に問題点が明らかになっ
てきました。政府・与党が当初想定していた審議(採決)のスケジュールが大幅に遅れて
いることが、そのことを何よりよく示しています。
 私たち東京大学職員組合では、衆議院・参議院を通じ国会での審議傍聴を続けてきまし
た。審議にあてられた時間数だけを見れば、すでにかなりの時間数になっています。しか
しその間、政府から私たちが聞いていて納得できるような答弁はほとんどありませんでし
た。私たちは、この法案に対して疑問と危惧の念とをますます強く持たざるを得ません。

 たとえば、
 (1)教職員(とりわけ職員)の国家公務員身分を剥奪する裏付け・根拠は何か。
 (2)中期目標・中期計画を大学側が自主的・主体的に作成することが可能か。
 (3)1兆円を超す負債を国立大学法人に承継させて返済はどうするのか。
 (4)来年4月に法人化を強行した場合、教育・研究現場にどれだけの混乱を与えるのか。

 こうした疑問に対して、これまでの答弁は何も明らかしていません。
 また、評価制度、財務会計制度、学費問題など法案に関連する重要な要素の多くについ
ても、文部科学省から確実な説明はほとんど行われていません。
 いずれにせよ、とても「審議を尽くした」とか「疑問に応えた」と言える状況ではない
と考えます。
 改めて言うまでもありませんが、この法案は何十万人という国立大学の教職員(日々雇
用職員・時間雇用職員を含む)や学生に直接影響を及ぼします。またそれだけではなく、
今後のわが国の高等教育や科学技術・学術研究のあり方全般にも関わる重要な法案です。
今回のような国立大学の大きな「改革」は、私立大学の関係者、あるいは大学に通ったこ
とのない人々まで含めて、国民の多くが納得できる内容であるべきだと考えます。
 残念ながら、衆議院で審議が始まった当初、国民やマスメディアはこの法案の内容にあ
まり注目していませんでした。しかし、その後3か月以上にわたる国会審議、とりわけ参
議院における詳細な審議を通して、法案に対する疑問の声が広がりつつあります。
 皆様には、国民の信託を受けた代表として、そうした声に、ここでもう一度耳を傾けて
いただきたいのです。
 したがって、私たちは参議院文教科学委員会の皆様に、下記について強く要望するもの
です。

                     記

 7月8日の参議院文教科学委員会では、国立大学法人法案等6法案の拙速な採決を強行
せず、引き続き慎重かつ徹底的な議論を行うこと。

                                  以 上