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独行法反対首都圏ネットワーク

☆大学からのアンケート (他の大学はどうですか)  
 
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岡山大・白井浩子です。03-7-3
大学内で、緊急のアンケートが取られています。
例の、法人化の場合の法律違反に関連するものと思われます。
アンケートの項目は下記の2つです。

調査項目1.労働安全衛生に関する要望、疑問、不安
調査項目2.必要としている労働安全衛生に関する情報分類

アンケートの説明では、「時間の切迫もあり、来春までに改善の義務もあるから、極 力、協力してくれ」とあります。これも、どのくらい問題があるか、早急に調べろ、 との文科省の諸大学への通達によるのでしょうか。
他の大学ではどうなのでしょうか。

皆さまにお伺いすると同時に、私の率直な答えを、お見せすることにします。
現場にどれほど問題があるかを把握すること自体は必要なことであり、アンケート自 体を悪くみなしているのではないのです。
しかしもっと、日常的な作業として行うべきなのです。

もし、それらの問題点は改善すると保証するから法人化に賛成しろ、というなら、ま ことに冒涜的・詐欺的行為といわなければならないのではないか。
これでは、大学改革の本来の目的が「大学の改善」ではなく、法人化そのものを実現 したいのだ(管理社会ならぬ、管理大学の仕上げとして必要か)と、みなされても仕 方ありません。

私たち大学人は、どこまでも、よりよい教育・研究現場の成立を願って闘いを続ける でしょう。
個人的な欲望や都合で、問題を指摘しているのではないのですから。
西欧の大学など先行する社会でも、長期にわたる持続的な闘いが続けられているのです。

日本では、まだ、社会全体として人々の体験が蓄積していないから、今後、余計に長 く問題は続くでしょう。また、問題が続かないような状態では、独創的な世界をリー ドするような研究や人材は決して出現しないでしょう。産業も衰退の一途となるでし ょう。まことに残念なことです。

私の受け取り方は、偏っているでしょうか。
長くて煩わせて申し訳ありませんが、どうか、ご一読お願いいたします。

<大学から>
Date: Wed, 02 Jul 2003 22:47:57 +0900
Subject: Re: 労働安全衛生問題調査アンケートについて

<白井>
理・臨海・白井です。03-7-2 
(できるだけ、メールで答えてくれ、とあるのです。整理に当たっては、文を変更す ることもある、ともあります。整理して、どこかへ提出するのでしょうか。)

<大学から>
At 09:46 03/07/02 +0900, you wrote:
 このことについて,労働安全衛生準備室より全職員(非常勤職員を含む)
アンケートの依頼がありましたので,御協力方よろしくお願いします。
 なお,注意事項を下記に示しますので,御注意のうえ,御回答願います。

<白井>
まず初めに、申し上げます。
1項目につき、1−2行で箇条書き、といってもそれは無理です。
実情はそれでは説明できません。
そのような形式的・形骸的アンケートをとって、現場の声が本当には何を要求して いるかが、伝わるとお考えですか?
もっと真剣に、本当に大学現場の改善に対して有効なアンケートをとるべきです。

以下に、答えます。

<大学から>
調査項目1.労働安全衛生に関する要望、疑問、不安
<白井> ・・・以下1-8は、あまりに個別的・具体的ですから、飛ばしてくださ い。・・・
1) 根本的設備として、海水配給設備の改善が必要である。
この海水取入れ口が、高位なため、とくに夏季に海水取入れが不可能になり、海水 配給が中断する。
このため、温度・海流などの定常状態が自動的に保てず、人力によらなければならない。
このため、不意な事故(漏電なども含む)、時間・労働過密、経費負担など、全てに 影響がおよぶ。

根本的改善は、海水取入れ口の下の岩盤をもう一段下に爆破することである。
これは実験所開設の当初から実験所側の主張であった。
しかし、重要な意味が事務局に理解されずに、取り上げられないで来ているのである。
このような根本的条件は、もっとも早急に改善されるべきである。

2) 海水配給の屋内実習室の面積が不足で教育に支障がある。
実習室の拡大を行うべきである。
過去に、図面を作成して、提出もしているが、取り入れられないでいる。

もし、実習室が現在の2倍あれば、約30人の実習を1回でできる。
産卵時期の限られた生物材料を、同時に学生に体験させられる。
現在では、2回に分けなければできない。
季節が異なると、適切な生物材料の入手が困難で、指導者側の心労は、非常に大きい。
全国的に、他校の臨海実験所に援助を求めたりしなければならない事態もある。
学生にとっても、学習権の侵害ではなかろうか。

3) 現在の船は耐用年数が過ぎている。
何十人も乗せて、無人島に実習に行くことは、教育内容であるが、そこでの事故を 誰が保証するのであろうか。
明らかに、法律違反であろう。

4)屋外実習棟の電気配線など、不備がある。
海水漏電など、改善されるべきである。

5)情報供給の設備を増強すべきである。
とくに映像に関する設備(撮影・映写、部屋の暗幕など)がない。
生きた生態を、情報として共有するために欠かせない。

6)図書室の機能を増強すべきである。
現状は、あまりにも内容が貧弱で、学問の根拠地の体をなさない。
学生にも指導ができず、貧弱な条件を押し付けるのは、学生・教官の教育を受ける 権利・研究を進める権利の侵害ではないか。
もちろん、本学・医学部の図書館を利用している。しかし、そちらにあるからとい って、あまりにも貧弱なままでいいことにはならない。
図書室の機能改善には、本当は、整理に当たる人員が必要である。
せめて、IT設備、ならびに高速送信可能な回線の改善が必要である。

7) 臨海実験所の各室における設備(エアコンなど)が不十分で、作業に支障がある。
瀬戸内海の夏の暑さ(凪なども含め)、冬の乾燥を伴う寒さによる、作業能率の低下 は、大きい。
居住(読み書きなどの意味)、日常作業に関する設備も不足である。

8)要因の増員が必要である。
臨海実習など15人以上の学生が参加する場合のみ、臨時雇員を依頼するが、これは 研究費からの支出である。かつてはポストがあったが、定年時に不補充となった。
これは、大変遺憾なことである。
臨海実験所の居住環境の管理・整備など、したくても出来ないでいることは、いく らでもあるのである。
実験所の質の向上については、これら、居住環境の整備も視野に入れるべきである。
それでなければ、文化度の向上などないことになる。

<大学から>
調査項目2.必要としている労働安全衛生に関する情報分類

                      生物・化学系
                     物理系(機械・電気・大型機械等)
<白井>
学問内容、および、それを遂行する現実の日常作業という観点から、広く必要である。

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<大学から>
 ※ 以下は,労働安全衛生対策専門委員会からの依頼文章です。
  御一読願います。・・・略・・・

<白井>
・・・読みました。
とくに、<8.この調査に関し疑問や質問等がありましたら、メール、文書でお尋 ね下さい。>とあります。
大いに疑問ですので、このアンケートのとり方に対して、申し上げます。

以上の事柄は日常、主張されていることである。
予算の不足から、常に、実現は抑制されるのであって、世界的にも貧弱な大学設備 の現状となっているのは、多くの書物や、新聞の指摘するところですね?
まさか、日本の大学の現状の貧弱さをご承知でないことはないでしょうね?

その実現を可能にするのは、文科省の予算の増額が根本でしょう。必要な予算なの ですから。
大学人ヘッドは、文科省予算の少なさを前提として、学内の要求を抑制する方向で 対処することが多すぎるのではないか?
これでは、一般の大学人の意気は上がらず、まことに多くの能力の損失が放置され ている。
もう、何年来も、概算要求の経緯にしても、ゆとりをもった案をねらせず、切迫し た条件で提出が要求されるようなくり返しばかりしている。書類整備に追われ、研究 にも支障をきたす。
大学人が異常な忙しさに追われている事態を、ご承知ないことはないでしょうね?
挙句の果てに、誰かに手伝わせて情報を入手できる人間だけ(権力を持つ人であるこ とは明白です)に、予算が回るのです。

このアンケートも、法人化に関連して、法律違反に対処するものでしょう?
しかし、本来、現状があまりにも貧弱なのであって、その是正の方が先であるはず ではないでしょうか?
法人化により法律違反が未必の事態となるので、やっと、対処するような順は、本 末転倒である。
国大協が、未必の法律違反を猶予してくれるように、文科省に依頼するなど、まこ とに本末転倒です。
このアンケートも、時間の切迫、来春までに改善の義務、などというが、本末転倒 でしょう?

法人化を止めればよろしいのではないか?
そうして、速やかに、貧弱な事態を改善をすることが大事である。現在もすでに、 大いに法律違反なのです。

大学ともあろうものが、数百人の学生を一室に詰め込んで、話を聞かせるような授 業形態が、どうして許されるのでしょうか。学生ももっと良質な学習条件を要求する のが希望だと思いますが、教官も不本意なのです。
 実質の改善が先のはずです。そうすれば法人化なしでも、大学は生き生きと本来の 職務に邁進するでしょう。
国会の質疑応答でも、元大阪大学事務局長が、言ったではありませんか、「これで は、大学はがんじがらめで身動きができない。もっと大学を信頼して」と。
もし、ご存じないのでしたら、もっと、広くから情報を集めるべきです。

法人化に対して、大学人ヘッドとして文科省に対して、根本的批判を、毅然と表明 して欲しいものですが、なぜ、できないのでしょうか?
学長も法人化反対を表明して学長選挙を経過したはずですが、いつから変わったの でしょうか。その所信表明を大学人になさったでしょうか?
大学人ヘッドが文科省の言うなりにすぎないでしょうか?どれだけ自分の大学の内 部の要求を抑制できるかが、大学ヘッドの力量とされるような状況は、異常です。
現場の声を取り上げ、それの改善を進行させるように、文科省に要求することこ そ、大学人ヘッドの取るべき態度ではないか?
また、それを受け入れる政府こそ、文化を大事にする行政ではないか?

さすがにIT時代であって、たとえ、大手のメディアが事実の報道をしなくても、私 たち一般の大学人は全国的に協力して、国大協などの内部事情も入手できる。
法人化賛成の意見を明白に表明する学長はごく少数であって、それも条件付であ る。それとは反対に、多くの批判が表明されています。
広くから偏らずに情報を集めて、適切な判断をして頂きたいものですが、いかがですか?
本当に日本の高等教育がどうあればいいのか、曇りの無い目で判断すべきではないか?

私たち一般大学人にしてみれば、現在は、大学のヘッド、および、文科省の二重の 自らの代表を、誇りに思えない状態です。
情けなくて、意気消沈させられる効果を及ぼすことも、肝に命じるべきではないか?
私たちの要求は、ともに教育・研究の改善に向かおうとする姿勢なのであって、こ れを対立的に不服従と捉えるのは根本的誤り(時代錯誤)です。
世界から文化国家と認められたいなら、現場(一般教官や、育つ学生たち)の意向 を尊重しなければならないのは、当然ではないか。

学生が、学ぶ目標を失って、精神的に支障をきたす傾向は全国的であり、個人の資 質というよりは社会的問題と捉えられています。国連が日本の教育現状を異常である とみなし、勧告しているほどです。
本末転倒な大学運営を続けていると、教官も精神的にバランスを崩すのではないで しょうか?
もったいない話です。

大学の運営に当たっておいでの皆さまもご苦労様ですが、がんばってください。
本当に大学をよくするために、がんばってください。

もう、いくつもの大学の理学部や、経済学部や、農学部、その他の教授会が、法人 化に危惧の表明の決議をしています。
私たちの岡山大学も、学部を超えて、大学として、見識ある態度を文部行政に対し て表明して欲しいものですが、いかがでしょうか?