トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

 
『日刊ゲンダイ』2003年7月2日付(1日発売)

  次から次へと出てくる国立大法人化法案のデタラメ

  東大教授も大反対

  明後日(3日)にも参院の文科委員会で強行採決されそうな国立大学法人法案。
ひと言で言えば、今ある国立大学を「法人」にして、「経営協議会」などを通
じて、大学を運営しようというものだが、この法案のデタラメを挙げればキリ
がない。「国立大の自主性、自律性を損なうことはない」とする遠山敦子文科
相の説明は大ウソで、「法人」にする変わりに文科省が監督を強化し、大学の
自治を奪うシロモノなのである。

  例えば、文科省は法案が通るのを見越してコッソリ「平成16年度概算要求参
考資料について」などという文書を作って各大学に配っていた。この中身が仰
天で、学生数に基づいた教員数や人件費の試算の仕方、調整手当のパーセント
までこと細かに書かれているのだ。法案の趣旨は大学の裁量拡大というが、こ
れでは逆に規制強化。国立大は完全に文科省のコントロール下に入ってしまう。

  東京大学の野村剛史教授(教養学部)もこう言う。

  「この法案が成立したら憲法で定められた学問の自由が奪われかねません。
研究内容や目標を大臣にチェックされ、国の意に沿わない大学は予算が与えら
れなくなる。学長の任命権や解任権も文科相が握ることになり、大学は文科省
の以降に従わざるを得なくなる。いわば、大学が政府の御用機関になる危険性
をはらんでいるのです」

  しかも、法案によると、大学法人化に伴い、全国で500人を超す理事・監事
などの役員が新設されることになるという。

  これが天下りに温床になるのは確実で、改革という名の焼け太りと言うしか
ない。こんな法案が通ったら日本の未来は真っ暗だ。