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独行法反対首都圏ネットワーク

2003年6月28日  四国新聞

四国ロースクール」来春開設へ申請

 司法制度改革の柱となる法科大学院(ロースクール)の二〇〇四年四月開設を目指している香川大(木村好次学長)は二十六日、愛媛大との連合による「四国ロースクール(通称)」として、文部科学省に設置認可を申請することを明らかにした。拠点は香川大に置き、入学定員は三十人。教員数は二十人で、両大教授に現役の弁護士が加わり、両大の研究分野の中でも評価の高い環境、ビジネス、知的財産関係に強い法律家を養成する。二十七日に申請を行い、十一月に認可される予定。来春、法科大学院の開設を予定しているのは、全国で公私立七十校余りあるが、連合方式は両大学が初めてという。

 高松市幸町の同大事務局で会見した木村学長は「両大学だけでなく、四国の地域のため、ぜひ成功させたい」と意欲を示した。

 正式名称は「香川大法科大学院 香川大・愛媛大連合法務研究科」。教員の内訳は現在、他の大学に在籍している教授を含め、香川大が十二人、愛媛大が四人。このほか、元裁判官を含む弁護士四人が実務指導に当たる。四国弁護士会連合会の全面協力による職場体験実習のほか、愛媛に在住する学生の利便性を考慮してITを活用した遠隔授業も検討している。

 法科大学院を巡っては、単独設置を主張する香川大と、連合構想を掲げる愛媛大で協議が難航。連合方式を選択した理由について、木村学長は「四国の『弁護士過疎』の解消という大義の下に個人的な感情を抑えてもらった」と説明。学生の立場に立って考え、両大の優秀な教授を確保できることや、一つのモデルとして文科省の認可を受けやすいことなどで判断したという。

 申請後、四県の国立大で説明会を開催。香川大法学部では七月五日の午後三時から、試験方法や授業形態などを周知、同大のホームページでも情報を提供する。学費は決まっていない。志望者は、大学入試センターが八月三十一日に行う適性試験を受験する必要があり、七月一日から七日までに出願しなければならない。

 法科大学院(ロースクール) 法曹養成の中核的機関となる専門職大学院。政府の司法制度改革審議会が01年6月、現行の司法制度を改め、法曹の大幅増員と質の向上の双方を実現するための基盤整備として設置を求めた。教員に弁護士や裁判官らが加わり、実務を重視した少人数教育で学生の七―八割程度の司法試験合格を目指す。原則3年で、大学の法学既習者は2年で修了可能。修了者は06年から導入される新司法試験の受験資格を得る。