トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

  
 .
 

--------------------------------------------------------------

 

2003年6月24日

 参議院議員 文部科学委員殿

  九州大学教職員組合

                                                    執行委員長 中江 洋

  国立大学法人法案の廃案についての要請


 平素より、わが国の教育・研究・学術の発展に尽力いただいていることに感謝申し上げます。

 さて政府提案の国立大学法人法案(関連法案を含む)については、参議院文部科学委員会での審議が、文部科学省側が虚偽の答弁を行なっていたことが判明したこと等によって中断しております。 そのことと合わせて、これまで行なわれた衆参両院での審議によっても、主なものだけでも以下のように、同法案がわが国の国立大学における教育と研究の自主的・創造的発展を著しく阻害する欠陥法案であることが明らかになっています。

 第一に、各大学の運営、教育、研究に関する目標と計画が文部科学省の作成、介入、承諾によって策定されるという、国内外に例を見ない前代未聞の国家による研究と高等教育への直接統制をもたらすものであること。
 第二に、国際的に見てただでさえ劣悪な国家による高等教育機関への財政的保障措置をいっそう貧弱化させ、その結果、文部科学省自身の試算によっても国立大学授業料を大幅に値上げせざるを得なくなる危険性があり、かつ付属病院関連だけでも総額1兆2千億円以上の負債を各大学に負わせるものであること。
 第三に、各大学において、高等教育機関運営の歴史的英知として原則化されている教員をはじめとする構成員による民主的自治および教員の身分保障について、法制度的な支えをなくしてしまうものであること。
 第四に、仮に今国会で法案が成立したとすると、来年4月には労働基準法や労働安全衛生法の要件や基準を満たさない違法状態のまま法人化しなくてはならないこと。

 以上を総合すれば、憲法と教育基本法によって保障されているはずの、学問・研究の自由と教育に対する国家統制の排除、教育の機会均等という根本原則を踏みにじる内容の法案であるということです。

 貴職におかれましても、ぜひとも同法案の廃案にご尽力いただきますよう、重ねて要請申し上げます。