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独行法反対首都圏ネットワーク

 2003年6月23日 北陸新聞

 衛星で遠隔授業 金大など北陸7国立大 民間とシステム構築へ

 金大など北陸三県の七国立大でつくる北陸地区国立大学連合は来年度から、インターネットや通信衛星を利用して各大学の講義をどの大学からでも受けられる遠隔授業システムを構築する。対面授業に近い形を民間企業と共同開発し、授業数を大幅に増やすことで学生の多様なニーズに応える。来年度政府予算の概算要求に事業費約十五億円を盛り込むよう文部科学省に求め、大学連合のモデルケースとして全国発信する。

 北陸地区国立大学連合は昨年十月、金大や北陸先端科技大学院大、富大、富山医薬大、高岡短大、福井大、福井医科大で発足した。遠隔授業システムは具体的な協力体制の第一弾となる。

 計画では金大にメディア教育開発センターを設置し、ネットや衛星による中継を管理する。語学なら語学、史学なら史学にふさわしい遠隔授業の形式を、学生による授業評価を取り入れながら研究開発する。大規模な講義は衛星で各大学に中継するが、語学などの少人数授業はインターネットの双方向性を生かして教官との対面授業の雰囲気を保つようにする。

 例えば福井大教官のドイツ語の授業を金大や富大にあるテレビに映すだけでなく、金大生が質問したり、富大生が解答する場面も各大学のテレビに映しながら授業を展開する。この映像はメディア教育開発センターに保存され、学生が自宅からネット経由で復習したり、教官が自分の授業内容を点検するのにも活用できるようになる。

 比較的小規模校の多い北陸三県の国立大間ではこれまで、自校の教官を非常勤講師として他大学に派遣し合い授業科目を確保していたが、学生が質問したいと思った時に非常勤講師は同じキャンパスにいないなど教育面での問題が多かった。遠隔授業システムでは七大学に所属する同じ分野の教官が連携して学生から授業内容の質問を受け付けるほか、非常勤講師の手当てや交通費の削減も目指す。