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☆ 岡山大、法科大学院の準備急ピッチ
  .中国新聞地域ニュース 2003年6月23日
 

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中国新聞地域ニュース 2003年6月23日

岡山大、法科大学院の準備急ピッチ


 ▽弁護士会も全面支援 構内に法律事務所設置へ

 裁判官、検察官、弁護士など法曹養成の新しい中核機関として来春開設される法科大学院(ロースクール)。岡山大も近く、文部科学省に設置認可申請をする。司法制度改革の一環で、構想が打ち出されて以降、五年越しで進めてきた取り組みも大詰め。地元弁護士会との連携を軸に、官民挙げてのバックアップで「岡山大大学院法務研究科」誕生に向け、スパートをかける。(黒田健太郎)

 「社会人受験者に求められるのは?」「学業以外の成果は入学選考に考慮されるのか」―。岡山市津島の岡山大キャンパスで、十一日にあった法科大学院入学希望者向けの説明会。二回に分けての開催で、計約四百人が参加し、質問が相次いだ。

 同大法学部の羽藤奈月さん(22)=岡山市=は「福祉、医療を重視するなど、コンセプトがはっきりしている」と評価。香川大法学部の和田明大さん(20)=高松市=も「公務員試験で実績のある岡山大は魅力的」と法科大学院開設への期待を示した。

 講師陣は実務家

 設置計画によると定員は六十人で、うち三割が社会人や法学部以外の出身者枠。原則三年で修了のカリキュラムで、元判事や元検事、現役弁護士ら実務家四人を含む専任教員二十人を配置する。地域の司法ニーズを踏まえ、「医療・福祉とビジネスに強い人材の育成」を掲げて特色を出す。

 実務教育は岡山弁護士会も全面支援する。所属弁護士を講師として随時派遣し、三十以上の弁護士事務所で研修も受け入れる。同大構内に「付属法律事務所」を設置。一般からの法律相談などに応じる中で、院生の実習に役立てる。「中四国ではほかにない取り組み」と同大法科大学院設置準備委員長の中村誠教授。

 認可へ官民一丸

 同大が準備委を発足させたのは一九九九年六月。以来、弁護士会と連携して着々と計画づくりを進めてきた。

 昨年六月には行政、経済など地元各界の代表が集まり、岡山大法科大学院創設期成会を結成。官民挙げて国など関係各方面への働きかけを強めてきた。

 しかし、文科省が設置数など明確な方針を示さないこともあり、今年に入って、同大は認可されないのではないかという憶測が流れたことも。岡山弁護士会法科大学院設置支援本部の榎本康浩弁護士は「いろんな話が飛び交ったが、一喜一憂するのはやめにした」と苦笑する。

 学外へもPRへ

 こうした中で、同大は教材や実習要領の策定など詰めの準備を急ピッチで展開。最近になって、文科省からも好感触を得たという。岡田雅夫法学部長は「準備段階で他大学をリードしてきた自負はある」と自信をのぞかせる。

 認可は十一月になる見通し。とはいえ、他大学との条件比較などで不確定要素もなお残るだけに、岡山大は引き続き開設に向け学内態勢を整える一方、学外へもアピールしていく構えだ。