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独行法反対首都圏ネットワーク

有力国立大、東京で知恵比べ 法人化見据え
  .asahicom 2003年6月23日 
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asahicom 2003年6月23日

有力国立大、東京で知恵比べ 法人化見据え

 京都大、東北大をはじめ各地の有力な国立大学が東京で、研究成果を産業界などにアピールする動きが活発化している。国立大の法人化を見据え、産学連携などで本格的な競争時代を迎えるなか、上場企業の半数が集中する首都圏が「知の競争」の舞台になっている。

 5月中旬、東北大の機械系の全43研究室が東京都大田区でフォーラムを開いた。参加者は東京在住のOB、企業関係者ら約500人。光センサーから高知能ロボットまで、最新の研究成果を示そうと、仙台からトラックで運んだ機器を会場に並べ、教授らが講演した。

 5月下旬には「九州大学の挑戦 研究戦略と将来構想」と題する催しが千代田区であった。世界最高水準の研究拠点づくりをめざす文科省の「21世紀COE(卓越した拠点)プログラム」に選ばれた4件などの紹介を兼ね、九州大の潜在力を訴えるねらいだ。

 席上、梶山千里学長は「情報発信力で比べると、企業、官庁が集まる東京は地方の3倍も効率がいい」と述べた。同大は昨年、東京駅近くにオフィスを開設しており、これに次ぐ東京への働きかけになった。

 首都圏「進出」で先行したのは京大。2年前、都内ホテルに産官学連携の拠点の事務所を設置。企業トップらを招くフォーラムで最先端の研究成果を発表している。

 大阪大も、大学院工学研究科の阪大フロンティア研究機構が新宿副都心で新産業創出のシンポジウムを開くなど、東京をターゲットにした活動を進めている。

 北海道大は4月、港区に東京オフィスを開いた。9月には都内で、21世紀COEプログラムに選ばれた先端研究の成果を報告する催しを計画している。10月には広島大も同様の催しを開く予定だ。

 国立大の法人化で、予算面では実績などで重点配分する仕組みが拡大し、大学間競争が強まるとされる。とくに、巨額の研究費が必要な理工系分野では、企業などの外部資金のウエートも高まるのは必至。新時代をにらんで、各大学が先手を打ち始めた。

 東京オフィス開設などで積極姿勢を示している大学はいずれも規模の大きい伝統校。ほかの大学からは「予算も少なく、OB人脈も細いので、まねはできない」(北陸地区の大学の事務局)と、有力校との開きを嘆く声が出ている。