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独行法反対首都圏ネットワーク

本日(11日)の国大協総会参加者に急遽配布します。
号外として広範な教職員・国民に知らせましょう!

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文部科学省が「中期目標・中期計画」指示文書(2002年12月)の回収を表明
   ―10日参議院・文教科学委員会で審議が紛糾、中断してそのまま散会に―



                                                      2003年6月11日
                           独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局


 10日に開かれた参議院の文教科学委員会は、民主党・櫻井充議員の質問に対する文
科省の答弁をめぐって紛糾し、審議が中断した。昼休みを挟んで断続的に理事懇談会
が行われたが、結局、委員会の審議は再開されないまま散会となった。

 櫻井議員は、「中期目標・計画」について、昨年12月の時点で書式やページ数を含
めて事細かに大学に指示している文書の存在を示し、これまで文部科学省が行ってき
た答弁(中期計画・中期計画は大まかなもの、「ざっくりとした」ものでよい、とい
う答弁)とは大きく異っている点を追及した。これに対する河村副大臣、遠山文科相
の答弁は支離滅裂で、櫻井議員は、これ以上の審議はできないと理事会での協議を求
め、委員会は中断した。

 その後、断続的に行われた理事懇談会において、驚くべきことに、文科省はすでに
各大学に指示した文書について、それを回収することで事態の収拾をはかろうとした
のである。もとより、野党側はこれを拒否し、事態が収拾されることなく、委員会は
中断のまま散会となるに至った。

 今後の対応については、11日の午後に、再び理事懇談会を開くことになっている。

 問題とされた昨年12月の指示文書とは、国大協の第10回法人化特別委員会で配布さ
れた、文科省の未定稿資料「国立大学法人(仮称)の中期目標・中期計画の項目等に
ついて(案)」である。

http://www.bur.hiroshima-u.ac.jp/~houjin/agency/specialcommittees/specom10-2
mokuhyo.pdf

 国立大学は、昨年来、この指示文書にもとづき、幾度となく「中期目標・中期計
画」の作成・修訂作業を行ってきた。そのために費やされた時間や人員、労力は膨大
なものである。文科省は「中期目標・中期計画」作成・修訂作業を当然のことのよう
に強制し、同作業は法的根拠のない不当なものであるという我々の批判を無視し続け
てきた。それにもかかわらず、文科省は、国会における本質的な追及を受けるや、ひ
たすら法案成立のために、指示文書自体を「回収する」とまで述べているのである。
各大学においてこれまで膨大な作業量を費やして作成されてきた「中期目標・中期計
画」とは、一体、何であったのかが問われなければならない。

 さらに、この指示文書は、法的根拠の発生する法案成立前であることは言うに及ば
ず、法案提出に先立って行われた与党審査(今年2月)より以前に出されている。こ
の点は、与党をも欺くものであり、立法機関である国会の審議を軽視・侵害し、行政
府の横暴を示す重大な問題であり、強く批判されなければならない。

 このように、国会の会期末を控えて「国立大学法人法案」の本質が明らかとなり、
文科省は答弁不能に陥って、審議は紛糾している。これによって、政府・文科省の立
案した法人化のスケジュールはすでに大きく崩れている。

 国大協は、昨10日から継続されている本日の総会において、国会の審議で明らか
となった法案の問題点について真摯な討議を行い、「中期目標・中期計画」の仔細な
指示を含め、文科省のこれまでの対応に強く抗議すべきである。そして、すでに国会
における審議が紛糾し、混乱を極めている以上、国立大学に責任を持つものとして、
国会に対してもはや法案の廃案しか事態を打開する道がないことを要請すべきで
ある。