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基礎科学は「冷や飯」 国立大法人化に強い懸念 小柴氏 共同通信ニュース速報 国会で審議中の国立大法人化について、ノーベル物理学賞受賞の 小柴昌俊・東大名誉教授(76)が十一日までに共同通信のインタ ビューに応じ「法人化されて独立採算となると、四、五年以内に産 業への見返りがないような研究は冷や飯を食わざるを得ない。理学 部や文学部の仕事はどうなるのか」と強い懸念を示した。 小柴氏は「基礎科学は成果を出すまでに五十年、百年かかること もある。五、六年の期間に利益を出すかどうかですべて処理された ら困る。一律に判定を下すことは考えた方がいい。画一性は時に害 を及ぼす」と強調。 法人化した各大学が、文部科学相が示す期間六年の「中期目標」 に沿って研究・教育面などの「中期計画」を立てる仕組みに疑問を 示した。 以前から基礎科学の重要性を訴えてきた小柴氏は「二、三年後に もうけがぶら下がっている研究ではないけれども、中には大きな見 返りを出すものもある」と指摘。 「十九世紀に発見された電子が二十世紀後半にエレクトロニクス という大産業に発展した。こういう例はいくらでもある。科学は対 象の魅力や面白さで研究するもの。役に立つ、立たないというスケ ールだけで処理されたら困る」と話した。 「見返りがないかもしれない基礎科学は国レベルで支えるしかな い。景気に関係なく、継続的にサポートすべきだ。人類共通の知的 財産を増やすことにつながる」とも。 小柴氏は基礎科学分野を応援する財団設立に取り組んでおり「ぜ ひ応援してほしい」と訴えた。 (了) [2003-06-11-16:22] |