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独行法反対首都圏ネットワーク

参議院文教科学委員への要請メール 
 .2003年6月9日 木更津工業高等専門学校 教職員組合
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                       2003年6月9日
参議院文教科学委員 殿

    参議院文教科学委員会での審議は慎重にお願いします。

             木更津工業高等専門学校 教職員組合
                          執行委員長 田村和士

  現在、「独立行政法人 国立高等専門学校機構法」など高等教育関係六法案が参議
院文教科学委員会で審議されています。
 先日衆議院では、これらの法案は充分な資料のないままに強行採決され、衆議院に
廻ったものです。その後参議院文教科学委員会での審議は始まったばかりであり、高
専に関してはほとんど議論が行われていません。そのために、以下のような多くの疑
問点が未解明のままです。
 引き続き、慎重な審議をされ国会会期末には廃案にされるようお願いします。

(1) 高等教育機関がなぜ、「行政法人」なのでしょうか。
(2)  高等教育機関をなぜ「効率的かつ効果的に行わせることを目的」としている
「独立行政法人」にする必要があるのでしょうか。
(3)  「独立行政法人」だと、文部科学大臣は、三年以上五年以下の期間において
高専が達成すべき「中期目標」を定め、これを当該独立行政法人に指示します。
期間終了時に中期計画・中期目標は「総務省」と「文部科学省」にある二重の外部評
価委員会によって評価が行なわれ、その後評価の通知を受けた審議会は組織の改廃ま
でも大臣に勧告します。これで、高等教育機関の自主性が保たれるのでしょうか。
(4)  法案では、「独立行政法人国立高等専門学校機構」が高等専門学校を「設置」
するとなっています。「国が高専を設置する」のと異なり、高専の運営上の財政責任
は国でなく法人となり、交付金の額及び運営費に占める割合は不確定なものになるの
ではないでしょうか。
(5)  「独立行政法人」になると、中期目標の期間の最後の事業年度に積立金があ
るときは、次の中期目標の業務の財源に充てることができますが、文部科学大臣はあ
らかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に
協議しなければならないことになっています。そして承認を受けた金額を控除した残
余は、国庫に納付しなければならないことになっています。このことは、交付金の不
確定とあいまって、学校の自主性が大きく損なわれることになるのではないでしょう
か。
(6)  法案には、機構の業務が書かれております。これは学校教育法で「高等専門
学校」は「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを規定して
いるためそれ以外の内容が示されているのでしょうが、学生に対しては、修学、進路
選択及び心身の健康等に関する相談、寄宿舎における生活指導その他の援助を行うこ
とになっています。そうであれば、学生指導で大きな比重を占めている「部活動にお
ける顧問としての業務」はどのようになるのでしょうか。
(7)  「独立行政法人 高専機構法」案には、 「委託・共同・連携」の範囲に入
らない個人的に創造的な教育・研究活動を行うことは含まれていないし、学校教育法
にも規定されていません。しかも、規定する業務以外の業務を行ったときは機構の役
員は、二十万円以下の過料に処せられます。 結局、部活動の顧問や、個人的に創造
的研究を行うことはできなくなるのでしょうか。
(8)  「独立行政法人 高専機構法」案には、職員を「非公務員」とすることになっ
ています。公務員試験に合格し採用され勤務している職員から、高専に勤務している
からというだけの理由で一方的に公務員の身分を剥奪し、教員については「教育公務
員特例法」の適用対象者から除外し、身分を不安定にする理由がはっきりしません。
(9)  教職員が「非公務員」になった場合に、教職員が現在の勤務実態を続けた場
合、教育や研究のみならず部活動での超過勤務や学寮での当直など含めて労働基準法
に基づく時間管理や超過勤務手当の支払が可能なのでしょうか。
(10)「独立行政法人」になれば、職員の給与は、その職員の勤務成績が考慮され
ることになっていますが、どのようにして、どのような基準で公平な評価を行うので
しょうか。本来は、給与に差をつけることより、全ての教職員が協力して仕事が出来
るような環境をつくることが必要だと思いますが。
(11)先の衆議院の審議で国立大学が法人化されたら、労働安全衛生法が適用され
るようになりその際には違法状態になる可能性が高いことが明らかになりました。国
立高専においても事情は同様かと思われますが、どのようにこの事態を回避できるの
でしょうか。
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    *  木更津工業高等専門学校                 *
  *      教職員組合執行委員長             *
  *          田村 和士                   *
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