独行法反対首都圏ネットワーク |
『朝日新聞』2003年6月10日夕刊 国立大の法人化に反対 井上ひさしさんら論陣 国会で審議が進められている国立大学法人法案をめぐり東京大学で6日、 「国立大学の法人化を考える夕べ」が開かれ、作家の井上ひさしさんらが反対 の論陣を張った。 教員有志の主催。井上氏は戦前・戦時下でも大学が軍部に抵抗していたこと を挙げ、「あんなひどい時代でも大学を守っていた人がいた。自由だと思って いる今、こんな事態が起きていることにねじれを感じる」と述べた。さらに、 6年単位の中期目標を大学に課すという法案を「6年で結果の出る学問はろくな ものではない」と批判した。 名古屋大の植田健男教授は教育基本法改正と関連づけて論じ、「教育の目的 を、人格の完成から経済界の生き残りといった政策目標に代えようとする狙い がある」と分析した。また、元東大副学長で現東大職員組合委員長の小林正彦 氏は「国立大の足を踏み入れたことがない人々は『ざまみろ』と思っているか もしれない。大学の学問の自由には、国民の権利を預かっているというモラル が必要」と教員側の自戒を促した。 |