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センター試験に“正解の法則”あり…教育学会誌で指摘 読売新聞ニュース速報 大学入試センター試験で出題された数学の問題で、ルート(根号)の中に数字 を入れさせる問題では「3」が正解になる確率が高く、四者択一、五者択一問 題では最初と最後の選択肢は外れる率が高い――。 そんな研究が今月発行の「日本数学教育学会誌」に掲載された。代表発表者の 東京理科大の芳沢光雄教授は、「解けなくても当たってしまう。根本的に出題 方式を見直すべきだ」と指摘している。 ルートについては、1990年以降に出題された数学1・A、数学2・Bの2 07問を調べた。ルートの中に入れる1けたの数は、通常、ルートの外に数字 が出せない2、3、5、6、7に絞られるが、正解となった数は、3が83問 で40%に上っていた。 また、四択問題では、同じく90年以降の調査で、1か4が正解だったのは、 40題中12題(30%)。五択問題で1か5が正解だったのは、13題中2 題(15%)で、解答群の両端は、誤答となる確率が極端に高かったという。 出題者の心理的な要因らしい。 出題される問題が教科書の内容に準拠しているため解答の絞り込みが容易なケ ースもあった。「□θ」や「θ/□」の□を求める三角関数の問題では、98 年以降に出題された8問の答えが、すべて2だった。「2θ」や「θ/2」以 外は、教科書の本文に出てこないためという。 芳沢教授は、「おかしな受験指導がまん延することにもなりかねない」と指摘。 事実、「そういう『裏技指導』をする先生もいる」と明かす予備校関係者もい る。 芳沢教授によると、IT(情報技術)分野で世界トップ級のインド国立工科大 の最近の入試は、すべて証明問題。結論が正しければ点を取れる日本と違い、 途中経過が重視される。逆に、日本の大学入試では、証明問題が減少傾向。芳 沢教授は、「マーク方式を否定はしないが、2次試験を課さない大学のように、 センター試験だけに頼るのは問題がある」と指摘している。 今年のセンター受験生は約55万人。センター側は、「マーク方式を採用した 時点で、そうした欠点があることは分かっていた。指摘はもっともだと思う」 と話すが、「代わる手段もないので、変えられない。証明問題も出したいのは やまやまですが」と、静観の構えだ。 [2003-05-30-03:02] |