独行法反対首都圏ネットワーク |
こんにちは、奈良県国立大学付属学校・園教職員組合です。奈良付属教組は、23日の総会で以下の決議を採択しました。今後、この決議を学長・報道関係・議会関係などに提出する予定です。 『安心して暮らせる社会と力を出し切れる労働環境を−有事法制化、教育基本法の「改正」、国立大学の法人化に反対です−』 戦火のアフガニスタンとイラクを見てきたある外国人が日本を訪れたとき、「わたしは、日本に来て初めて希望を持っていない子どもを見た。」と言ったそうです。 くらしや子育てに悩みや不安の多い毎日。このようなときこそ、みんなが人間としての希望と展望を持てるよう に、わたしたちは組合としての力を出しきりたいと思います。 「まるで生『番組』のようにイラクの街への空爆が映し出される。その横で晩ご飯を食べるのがつらい。」と言った 組合員がいました。有事法制反対ジャンボ葉書きには、「これ以上子どもたちが悲しむ世の中にならないように」と いう訴えがありました。人間的な感情をもつ者であれば、誰もが同じように感じるのではないでしょうか。いま厳しく求められていることは、有事に備える努力ではなく、有事を避ける努力です。 過去の大戦での加害と被害、その後の平和国家への踏み出し。これらをしっかりとふまえて憲法第9条について考えるとき、この条文がわたしたちの暮らしや世界の平和にとってなくてはならないものであることがよくわかりま す。 わたしたちは、有事の法制化をくい止めまた平和憲法の精神を実現させるために、多くの国民が手をつなぐこと をめざします。それは、わたしたちが人間として生きる希望と展望をもつためでもあります。 この春もたくさんの子どもたちが入学・入園しました。どの子も、どの保護者も、そしてわたしたちも、学校・園が 希望と温もりの場であってほしい、学び合うみんなの笑顔の輝く場であってほしいと願っています。 ところが、有事法案審議のさなかに云々されている教育基本法の「改正」では、「国を愛する心の教育」が言わ れ、子どもたちの心が法律で縛られてしまいそうです。また、「21世紀を切り拓くたくましさ」をめざすことのなかで、 人格の形成という教育本来の目標が、日本経済の「成長」にすりかえられてしまいそうです。もしそうなれば、競争的な「学び」がいっそう激しさを増すと考えます。 平和な社会の形成者を育てることと人格の形成は切り離せないことであり、ともに大戦への反省をふまえて制定された憲法と教育基本法のおおもとの願いです。 わたしたちは、教育基本法が憲法と一体となって一人ひとりの成長・発達をめざし、豊かな社会の実現を願う素晴らしい法律であることを広く訴えます。また、平和への願いもこめて、その「改正」に反対します。これは、わたしたちが教育労働者として力を出しきり、生き生きと働くことをめざすものでもあります。 学校・園や大学は、国の権力からいちばん遠い存在であるべきではないでしょうか。ところが、「国立大学法人法案」では、高等教育・研究にたいする行政の関与が顕著です。また、教職員の非公務員化は、安心して働き、公務員として国民全体に奉仕したいというわたしたちの願いを踏みにじるものです。筋違いの行政の関与や競争的労働環境は、教育現場により大きな混乱と困難をもたらします。 わたしたちは、国立大学の法人化に反対です。また、子どもたちやの願いや教職員の勤務実態などをしっかりとふまえた、真剣な教育改革論議を広く呼びかけます。 2003年5月23日 奈良県国立大学付属学校・園教職員組合/第35回総会 |