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独行法反対首都圏ネットワーク


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2003年5月18日(日)「しんぶん赤旗」

広がる教育基本法改悪反対

市民が手づくり公聴会

短大、高校生も声あげる

新潟県の場合


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新潟県内の労組・民主団体が共同して「花咲かせよう! 教育基本法」と開いた県民集会=11日、新潟市

 「国を愛する心」の育成を盛り込み、教育内容への国家の統制を強めようとする教育基本法改悪の動きに、各地で父母・教師・市民が反対運動に立ち上がっています。新潟県では市民団体や労働組合が議会への陳情、県民公聴会や集会など多彩に活動。短大生や高校生も参加して、改悪を許すなの声を広げています。

19議会で採択

 「子どもの権利条約にいがたの会」は県内百十一市町村議会すべてに「教育基本法改正問題について慎重な対応を求める」陳情を提出。これまで十九議会で採択されました。代表の足立定夫弁護士は「これまでいじめや不登校、虐待の問題などにとりくんできましたが、子どもの権利の尊重に真っ向から反する教育基本法の改悪に、何らかの形で発言をしていかなければと考えました」と語ります。

 同会は昨年十二月に子育てや教育にかかわる団体・個人に教育基本法「改正」問題を考えようと呼びかけました。親子劇場の活動をしている人や、不登校の子を持つ親など十数人が集まり、話し合いました。

続々と意見が

 いろんな立場からの意見を出し合おうと「県民公聴会」を開くことを決め、意見を募集することにしました。「県民公聴会準備会」を発足し、案内ビラを各教育委員会や公民館、教職員組合、PTAなどに届けて呼びかけたところ、教師、親、高校生、短大生などが続々と意見を寄せました。

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父母・教師・高校生など31人の声がのった「県民公聴会」の意見集

 地元紙の報道で知って応募した男性は「なぜ改正が必要なのか、趣旨・目的がまったく分からない。現行法が徹底されたとは思えないし、改正すればよくなるなど到底考えられません」。高校生や短大生は「愛国心」を法律で押しつけることへの疑問や、「自分の考えや意見を持ち、おかしいことをおかしいと言える子どもたちが教育基本法改正後の教育下では、いなくなってしまうおそれがある」と述べました。

 「こちらの予想以上に意見が集まりました。教育基本法の問題は難しく思われがちですが、だれでも教育を受けたり、子育てにかかわっていて、自分の問題として考え、意見をいえるんです」と足立さんはいいます。

 「県民公聴会」は今年三月に実施。意見を寄せた三十一人のうち十七人が口頭で発表し、「分かりやすかった」「改正の問題性を強く感じた」との感想がよせられるなど好評でした。すべての意見を冊子にまとめ、文部科学省や中教審、各政党などに送りました。

 同会は今月から「教育基本法セミナー」を開催し、より多くの人とともに考えようと活動しています。

署名呼びかけ

 労働組合・民主団体の動きも活発。新潟県労働組合総連合、公立高等学校教職員組合、ゆきとどいた教育をすすめる県民の会、新潟大学職員組合、県民主医療機関連合会など十五団体で二月に結成した「花咲かせよう教育基本法 新潟県民大運動」実行委員会が、今月十一日に県民集会を開催しました。約百三十人が集まり、基本法の意義や「改正」の問題点について学び、討論。署名運動が呼びかけられました。

 同実行委員会の高橋武昌事務局長は「今後は各地域から運動をつくり、自治体などにも働きかけていきたい」と語っています。