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独行法反対首都圏ネットワーク

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   違法・脱法行為による国立大学法人化強行の検討を開始した文部科学省

                                      2003年4月24日
                                   独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局

現在、衆議院文科委員会において国立大学法人法案の審議がなされているが、文科省
は違法・脱法行為による国立大学法人化強行の準備と検討を開始した。

1.文科省は4月18日、末尾添付資料のような平成16年度概算要求に関わる事務
連絡を各国立大学などに行った。ここでは、国立大学法人法に基づく平成16年度概
算要求準備の第一歩として概算要求参考資料(基礎額等調)の提出が5月30日厳守
という形で各国立大学に要求されている。この資料の目的は各大学毎の自己収入や基
礎的な運営費の把握であるとされ、概算要求基礎員数調、収入見込額調、支出見込額
調のための膨大な書類が送付されているのである。文科省は、この資料提供要求に引
き続いて、以下のようなスケジュールで概算要求を行おうとしている。国立大学法人
法案が国会で審議中であるにもかかわらず、同法に基づく概算要求システムの始動
は、国会の立法権に対する侵害である。このような憲法に違反する行為は断じて許さ
れない。

◎6月末〜7月初め:概算要求参考資料(特殊要因等調):各大学毎の内部組織や施設
整備等の計画の把握

◎国の概算要求基準(シーリング)をもとに関係局課が各大学毎の計画を精査

◎文科省から各大学へ運営費交付金・施設補助金等の要求額を連絡

◎8月中旬:収入・支出概算要求書(国立大学から文科省へ提出)

◎8月末:文科省から財務省へ概算要求書の提出

◎9月:文科省から財務省(総務省)へ概算要求の説明

なお、4月17日の国大協特別委員会はその本来の任務を全く果たさなかったが、唯
一、上記の概算要求準備の開始を認める旨の確認を行ったのである。

2.国立大学法人化がなされる場合には、当然のことながら、民間に適用されている
労働関係法令を遵守しなければならない。このことは文科省が繰り返し表明してきた
ことである。しかし、“文科省およびその周辺が、現在、労働基準法、雇用保険法、
労働安全衛生法などの一部について適用猶予、免除措置などの可能性を検討してい
る”との確度の高い情報が寄せられている。すなわち、(1)労働基準法については
就業規則ならびに36協定の届出義務の適用猶予措置(当分の間)、(2)雇用保険
法については適用除外、(3)労働安全衛生法については適用猶予措置(当分の
間)、である。(1)については、準備が間に合わないため、(2)に関しては国家
公務員共済組合や退職手当があるため、(3)に関しては予算確保の見込みが立た
ず、しかも準備が間に合わないため、というのが理由であろう。このような脱法措置
は常識的にはとり得ないはずである。にもかかわらず脱法行為を検討しなければ20
04年4月の法人移行がおぼつかないところに、国立大学法人法案が内包する重大か
つ本質的な問題点の一つがある。

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【資料】概算要求に関する4.18文科省文書

事務連絡
平成15年4月18日

各国立大学事務局(部)長
各大学共同利用機関管理局(部)長  殿
(宇宙科学研究所長及びメディア教育開発センターを除く)

文部科学省
大臣官房会計課予算班
高等教育局大学課
研究振興局学術機関課

平成16年度概算要求参考資料(基礎額等調)について(照会)

このことについて、事務処理上必要としますので、下記に基づき提出をお願いしま
す。



1.提出期限  平成15年5月30日

2.提出部数  1部

3.提出方法  各葉の右上方に大学名等を記入し、仮綴りにして提出すること。な
お、該当がない様式についても、「該当なし」として提出すること。

4.その他
(1)各種新規要求については、別途通知する「概算要求参考資料(特殊要因等調)
にて提出をお願いする予定である。
(2)今後において、当該調書の一部が変更又は追加されることがある。