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独行法反対首都圏ネットワーク

☆4.23 文科委員会速報 
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元都立大学の五十子満大です。
4月23日に行われた文部科学委員会の模様です。
他の方と付合わせしておりませんので、聞き間違い。誤字・脱字の点はお許し下さい。速
報としてお読みいただければ幸いです。
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4月23日第2回文部科学委員会 13:00-15:45 第17委員会室
第1回参考人陳述と質疑
参考人 石 弘光 一橋大学学長
        赤池敏宏 東工大大学院生命理工学研究科教授
        小野田武 日大総合科学研究所教授
    佐和隆光 京大経済研究所教授
質疑者 谷田武彦(自民)、山元 勉(民主)、斉藤鉄夫(公明)、佐藤公治(自由)、
    児玉健次(共産)、中西績介(社民)、金子善次郎(保守)
陳述
石参考人
 私は一橋大学学長で、国大協の副会長しております。法案に賛成の立場でレジメ に沿
って、なぜ必要か、問題と改革の方向を述べます。
 日本の大学は国際的に競争 力を失っている。高校生でも欧米に留学している現状など
危機感を持っている。大学は設置審答申以来、自由化など内部改革をしてきたが、中から
の改革は生ぬるく社会の変化に追いつかない。
 法人化は良いきっかけである。組織・人事は硬直化し、業績無くて安住し、競争が欠如
している。研究・教育には競争が必要である。
 基礎的なものはオーバーヘッド分を回せばできる。教育サービスの向上は欧米では当た
り前、評価も当たり前である。経営マインドも必要である。
  法人化によって何が期待できるか。責任を持った自主・自立の運営である。金・組織が
自由になる。これまで著しく不便であった。制約も必要。予算のきちっとした説明、良い
研究や良い講義をすることである。
 教授会中心は迅速でない。理事会が決めるのは欧米ではごく自然。学長は全体から支持
され、慕われる必要がある。
 問題はあるがリスクを恐れてはならない、留まるリスクの方が大きい。
 運用では人事など大学の裁量幅をどれだけ拡げられるか、役所がどれだけ応えるか。概
算要求を例にとれば、窓口の一本化。大学も変わる、役所も変ってもらいたい。
 事後チェックが必要。交付金の算定は透明に。事務量の拡大を考えて貰いたい。
   これからは自覚と才覚が必要。2004年4月を目指し、着々と準備を進めてきている、す
みやかな進展を期待してる。

赤池参考人
 これまで25年間、医学の方面で、高分子化学、分子科学、分子生物学などをやってきた
。特に独創性が求められる学際的な領域で研究してきたものとして評価が如何に難しいか
述べたい。法案にある評価がされるとチャレンジングな研究は取り組めない。初めの数年
は学問としても認知されず、悪戦苦闘の連続であったが、新分野への期待と励ましを受け
、転々としながらも研究し続け新しい研究領域を作ってきた。
 まじめに考えれば考えるほど、法案は独善的学長の突出を認めることにつながるなど、
生かすべき学問の自由、大学の自治も侵され、新分野の創造などできない。黙って見過ご
すことは男(人間)でないとの思いで、ここに出てきました。
 評価に焦点を絞れば、二流、三流になってしまう。ノーベル賞の田中さん、下馬評で上
げた人いますか、東北大学の時代の評価を見失うおそれがあります。白川さんも目立たな
い方で、東工大の助手時代にプラスチックの導電性を見いだしたが、この発見、その時誰
も評価していない。福井さんも、初期は何をやっているの、と云われた。それ程評価は難
しい。大学は改革すべき事はあっても、これまで決してやってきたことは決して間違って
はいない。研究は管理し、評価して進められるものではなく、間違えば国を滅ぼす。評価
では評価の目利きが重要で、現状では不十分。お上が取り仕切るようなことは一切止めて
いただきたい。学長の権限強化はサダムフセインとまでは云わないが、お手盛り人事、強
引な人事、戦前のような追放も起こりうる。
 仇役として大学を見るのでなく、世界から尊敬されるような大学づくりに向けての討論
と審議を進めていただきたい。 

小野田参考人
 三つのステップで話したい。
 教育・研究では、40年化学系の企業にいて、技術系で経団連の主査を務めていたので、
屈指の産業人として、危機感を持っている。
  時代認識として、80年代のアメリカ、崩壊後のソヴィエト、最近の中国のように経済は
国際化が進んでいる。他の分野も例外でない。
  経済力、産業力では牽引車は無い。総力戦である。
  大学改革、国際競争の先頭に立つべき、一人一人を強くし組織力である。
 法人化法は万全ではないが合格点を与えられる。初め本当につくれるかと思った。リス
クを覚悟してつくる。時代は変わっているのだ。個人の活力従来に比べ大幅に上がり、組
織は格段に良くなる。統率力も上がる。法案は国費の充当など基盤を作るに過ぎず、今後
、矢継ぎ早な改革を実行すべきである。教育改革、明治以来の分野の名称、就職問題、異
常なほど沢山ある。大学は社会と一緒に歩んでゆくべきである。

佐和参考人
 (傍聴者にメール貰えば資料は送ると前置きし、早口で聞き取り辛い)
 アメリカで教育を受け研究してきた。アメリカでは教育者も研究者もそれぞれプロフェ
ッショナルとして存在している。
 教育の改革は必要、発展途上国である。研究におけるいびつな評価は研究・教育の集中
の妨げである。法案は個人より組織評価を重視している。
  研究は中央集権にはなじまない。創意工夫の余地を如何に確保するかである。2分の1以
上の外部導入など良くなる保障はない。なくすべき。旧帝大などと新制大学では格差永年
在った。初期条件に差異が在りすぎる、無くすことが第1である。地方分権の点でも地方に
国立大学を。
 評価と基準では、アメリカ人を移入することが早道、法案では国立大学のソヴィエト化
につながる。研究の有用性の評価は大学に任せるべき目前ばかり考えてはいけない。ポス
ト工業社会を考えておく必要もある。

質疑応答
谷田(自民) 護送船団方式から脱却すべきと思う。学長のリ−ダシップが求められて  
いるが、一橋をどのように変えてゆくのか。石参考人。
石  各種委員会を作って見取り図を作っている。それなりの仕組みはできている。  
目的に沿った大学できると自信を持っている。
谷田 国との関わりとそれへの期待は
石  制度改正なのでその全その後があるが、自由な裁量権が与えること。 
谷田 小野田参考人、マネジメントはできるのか。
小野田 人によるのでリスクはある。どういう学長を選ぶかによる。基準は大学を愛  
する、教育を愛する、研究を愛する人だと思う。
谷田 満足でないが合格点といったが。
小野田 リスクへの踏み込みが足りない。教育研究評議会が内部だけで作られること  
で、外部を取り込むべきと考える。
谷田 県立大など公立大についてはどう考えているか、石、小野田参考人。
石  もっと自由度を増すようなものになる。
小野田 このラインで進めるのがスムーズで良いと思う。
谷田 反対の意見も寄せられているが、石、小野田参考人
石  学問の自由が侵されるなど反対意見は聞くが、どうして侵されるのか具体的に  
説明がされていない。心配していない。 
小野田 当然石さんと同じで、教育と研究は国力の問題でもある。サイエンスのため  
のサイエンスでは困る。社会のためのサイエンスであることを大学人に考えてほ  しい


山元(民主) 意見を伺って改めて参考人によって大きな隔たりがあると思った。石さ  
んは準備を始めていると云うが、佐和さんはようやく議論が沸騰してきたという。  こ
こでも熱い議論が求められていると思う。「中期目標」「中期計画」について  大臣が
定めるとなっているが強い危惧を持っている。
石  目標を決め評価は既に暗黙のうちにやられていると思う。定数はフリーハンド  
にはならない。説明責任を伴う。イヤなら私学になればよい。
赤池 国が決定権をもち国の力が強まる。法案が出て、これから話し合いが必要とな  
っている。国の傍若無人レベルアップした管理。COE選定、なぜ差があるのか  解らない
。Sciense for sciense を許容できることが必要。釈迦の手の上で----。
山元 法人化は自主性を大前提にしているが、国が定めるというのは危険。三重の評  
価システムでは雁字搦めで、作業量にしても膨大では。歯止め・限定が必要では。
佐和 期間を6年に限っているが、会社ではない。評価に膨大な時間がかかり、恐る  べ
き損失である。金銭判断できない内容はどう集計するのか困難。
山元 様々な方から意見が来ている。国大協はしっかり責任を持った議論をすべきで  
は。
石  反対が目立つようになったのは、法案が出てからで、これまで意見があったが、 
 臨時総会もやって7地区で法案説明会もやった。大反対という意見は出ていない。  
各地でいろいろやってきたのでそれなりの理解は得られている。

斉藤(公明) 何が問題で、どこに不自由さがあり、どう解決するのか。
石  人事と金、どう持つかで、持っているのは副学長人事だけ、手足が縛られてい  
た。法案では裁量幅が広がる。フセインのような人を選ばないことである。
斉藤 評価ではピアレビューが必要で学位授与機構が当たる。国が必要なのは。
石  必要悪である。時間をかけ良くすればよい。評価するのは大学人なので完全に  
満足しなくても理解は得られる。
斉藤 赤池さんのような方だったら評価は必要ないかも知れない。しかしそうでない  
人が沢山いる。
赤池  励まして良くなるようにすることが必要で、納得できないものは困る。本当に  
評価できる人は極めて少数。徹底的に評価しようとすれば膨大な資料づくりと時  間が
必要。誰でも人間性の豊かさは持っている、エンカレッジングが大切。
小野田 評価は必要。基礎研究としても社会とどう関わってゆくかの時代である。
佐和 地方を見て、設備、人含めて格差がある現状で、総花的でなく、それぞれ特色  
を持たせることも必要。
斉藤 職員を非公務員として、組合運動の温床化につながるのでは、と意見があり、  
文科省は評価でやるから大丈夫というが。
小野田 法人化で最も難しい代表的な事例と思う。

佐藤(自由)  参考人で賛否が分かれている。賛成側として心配している点、反対側でも法
案の良い点は。
石  大学も変わるので役所も変わること。事務量の増大への対応。
赤池 仇役的でシビアな法案であるが、変えるなら中期目標を定め評価に応じての査  
定のところ。
小野田 賛成だが、沢山のリスクがある。リスクを減らすのは情報公開で。
佐和  二つある。本来の趣旨がねじ曲げられている。ソヴィエト化である。研究個  
人主義を否定し、組織主義となっている。

児玉(共産) 赤池さん、このまま放置しておくことはできないが、99年の座談会で  
評価について、あっという間に地盤沈下してしまう。総合大学をトータルに評価  でき
る人はいない。高等教育で目標を決め評価をするような、政府が一方的に定  めた国は
ないが、教特法適用除外を含めて、どんな困難に陥るか。
赤池 特許など問題になる実学などどうするかは大学内部の問題で、国で決めるもの  
ではない。評価ではジャーナリスティックの書物への発表、学術発表同列ではな  い。
児玉 法特委委員長の石さん、2月10日法案の概要が未定稿で配布され、意見が割  
れているとの話があったが、どうなったか。3月19日は文科省の説明が80%  で後
質疑応答で、意見を聞く場とは思えないが。
石  学長にいろいろある。100%反対という人もいないと思う。100%反対は  
いない。白紙撤回もいない。7地区説明会では自由に意見をと云っている。反対  する
場はこれまでいくつかあった。
児玉 今後の計画は
石  概要と法案の違いいくつかあった。国からギャランティーして貰う必要もない  
だろう。中期計画に乗せられるのだから。臨時総会開催の要求もない。

中西(社民) 6本の法律それぞれ一つずつ考えても簡単な問題ではない。革命的であ  
る。30時間の審議でといわれているが。
石  他の法案は法人化に関連するもので。
赤池 討論時間短く、不満やるかたなく辛い。そのような進め方残念である。
小野田 場と時間限られているので、議員の皆さんの見識。準備する側は十分議論し  
てきた、されてきたと思う。
佐和 確かに革命的かも知れない。運用次第で毒にも薬にも。薬にする余地はある。
中西 3月に大臣説明があった。内容は大学人で積み上げられたのか。600ページ  
の大部、初めて見て、国民に変わって議論すべきものと思うが、議論したら割れ  てい
る。意見を言うと、文科省の予算は対GNP比で先進国の半分の実態がある  が、こういう
のは議論されていない。自由な場に行政が土足で踏み込むようなも  のである。

金子(保守新党) 大学は何を目指すべきものなのか。
石  知の創造と知の伝承
赤池 知の創造と知の伝承(?)次世代へ高い評価が得られこと
小野田 人材育成
佐和 教育と研究得座すところは学部によってそれぞれ違い、多様である。
金子 学生は大学院レベルでも勉強しないと云われているが、石さん実感は。
石  先進国に比べしない。休講を喜ぶ現状がある。入り口と出口の問題。学生消費  
者と云いたい。
金子 少子化の流れで、学生の評価がなければ消滅、どう思うか。
石  当然。
金子 語学など緊張感高いところは十分勉強している。教育への熱意次第では。
赤池  現状でも進んでいる。英語でのゼミなど。
金子 国際化の中で、外国人を招聘して貰いたい。
石  学長は外人でもなれる。外人のパワーを活用したい。
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