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独行法反対首都圏ネットワーク

大学はどうなる 法人法案批判《5》法案に大学側の同意なし 
 .2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」 
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2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

大学はどうなる 法人法案批判《5》 
法案に大学側の同意なし 危ぐ・反対、急速に広がる
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 遠山文部科学大臣は、「大学の自主性を尊重する」と何度も強調します。それなら、こんな
に重大な法案の国会提出は、大学からの同意をえてすすめるのが当然です。しかし、三日の
衆議院本会議で日本共産党の石井郁子議員が「国立大学協会の総会で同意を得たのか」と質
問したのに対し、大臣は「提出に至る過程で関係者に十分な説明をし、理解を得たと考え
ている」としか答えられませんでした。

大学側から厳しい批判

 文科省による関係者への説明は、二月十日の国立大学長会議で、たった四?の「法案の概
要」を示しただけです。それも「未定稿」とされていました。しかも、この内容に、二十四
大学からの意見が国立大学協会に提出されています。
 「国立大学の自律性があるような制度設計になっていない」「国は大学の経費負担の義
務を負わない可能性がある」「経営優位・短期的な業績向上志向となりかねない」「教授
会の名称すらないのは不可解さを通り越して不審を抱かせる」…。
 法案がもつ根本問題への深刻な疑念や厳しい批判であり、とても「同意」どころか、「
理解を得た」とさえいえるものではありません。国立大学協会では、法案を議論する総会
さえまだ開かれていません。そうした中での国会提出は、あまりにも拙速、強引であり、
大学の自主性を踏みにじるものにほかなりません。
 いま、法案に対して、大学内外から危ぐと反対の声があがっています。
 国会審議を目前にした三月二十七日、全国から四百人の大学関係者などが集まり、国会
要請と請願デモを行いました。同日、全国大学高専教職員組合をはじめ、全学連、新婦人
、全教、国公労連、マスコミ文化情報労組会議など諸分野の十四団体が、共同アピールを
発表、「廃案をめざす」と訴えるなど、共同のとりくみがひろがっています。
 池内了・名古屋大学教授が中心になり、作家の小田実さん、井上ひさしさん、映画監督
の山田洋次さんら著名な文化人が、国立大学法人法案のとりやめを求めるアピールを二月
末に発表しました。これに、作家の赤川次郎さんや柳田邦男さん、大橋巨泉さんなど、四
千人をこえる賛同がよせられています。
 ジャーナリストの櫻井よしこさんも、『週刊新潮』四月十七日号で「独法化は官僚の支
配力の強大化に貢献するのみ」と告発しています。

国会の様相にも変化

 国会では、大学関係者の国会要請に「こんなにひどい法案か」と驚く議員が少なくあり
ません。衆議院本会議での論戦をうけて「これは重要法案」との認識もひろがっています
。徹底した審議をつくし、法案の問題点を究明することは国会の責務です。法案の廃案を
めざす国会内外のたたかいが結びつき、大きく発展することが期待されます。(おわり)
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