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センター試験問題、200万部余る…7億円分の無駄 読売新聞ニュース速報 過去最多の55万人が受験した今年の大学入試センター試験で、200万部も の試験問題冊子が余り、会場となった大学側が廃棄などの処分を余儀なくされ ていたことが分かった。問題冊子が不足する事態にならないよう、大学入試セ ンターが大量に印刷しているためで、結果的に“無駄”になった印刷費は約7 億円分に相当する。 こうした事態はここ数年、毎年のように発生、大学側は問題冊子の送付部数を 減らすよう要請しているが、センターは「大幅削減はトラブルにつながりかね ない」と対応に苦慮している。 センターは過去の受験実績などからその年の受験者数を予測し、各教科・科目 の印刷部数を決めている。受験生は試験当日に受験科目を選択でき、例えば 「地理歴史」(地理、日本史、世界史)の中から「世界史」を選んで受けたも のの、出来が悪かった場合、さらに「公民」(現代社会、倫理、政治・経済) の試験時間に「現代社会」などを追加受験することも可能だ。このため、「全 員が受験しても対応可能な部数を作成する」ことを基本原則にしている。 センターは今年、例年受験率が低い「理科〈1〉」と「理科〈2〉」について は、それぞれ58万、50万部、残る教科は69万部を用意し、全国693会 場に送付した。印刷費約18億円と輸送費約1億4000万円は、受験生の受 験料から捻出(ねんしゅつ)している。 試験は1月18、19の両日に行われた。最多の55万人が受験した「英語」 では14万部の問題冊子が余った。受験者数が29万人に過ぎなかった「公民」 では40万部が未使用のまま残り、余剰冊子数は、計212万部にのぼった。 大学側は余った問題の一部を教授や学生、近隣の高校、予備校などに提供して いるが、多くは廃棄処分している。中には業者に依頼し、有料で処理している 大学もあるという。 こうした事態は、「社会科」が「地理歴史」と「公民」に分かれるなど、試験 科目が細分化され、受験生がどの科目を受験するか読みにくくなった1997 年ごろから続いている。 大学側からは、ここ数年、「送付する問題部数を減らしてほしい」という要望 がセンターに寄せられているほか、一昨年、センターが行政サービスの効率化 などを目的とした独立行政法人に移行したのに伴い、「もう少しコスト意識を 高めるべきだ」(大学の入試担当者)という指摘も強まっている。 これを受けて、センターは今年、各教科の問題冊子数を一律5%削減した。そ れでも大量の余剰部数が発生したため、来年以降、さらに印刷部数を減らすこ とを検討している。 しかし、1997年には一部の会場で「公民」の受験者数が予想を大幅に上回 り、問題が足りなくなって他の会場から回してもらうトラブルが起きている。 そのうえ、来年の入試では多くの国公立大が5教科7科目に試験科目を増やす ため、さらに受験生の動向が読みにくくなる。 センターでは「減らせるものなら減らしたいが、大幅な削減は、試験問題の不 足という最悪の結果を招く可能性もある」と、対応に頭を痛めている。 [2003-04-19-15:08] |