独行法反対首都圏ネットワーク |
2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」 労働法制改悪 きょう審議入り 派遣法改悪の趣旨説明 低賃金、不安定雇用増やす ------------------------------------------------------------------------ 日本の労働者全体の雇用・賃金・労働条件を根本から切り下げる労働法制の大改悪が二 十二日、国会で審議入りする重大局面をむかえています。 二十二日には、労働者派遣法改悪案が衆院本会議で趣旨説明されます。労働基準法改悪 案は連休明け早々に審議入りする見通しです。 −労働者の大多数が、低賃金でクビきりが容易なパートタイマーや契約社員に置きかえ られ、工場には企業が雇用責任を負わないですむ派遣労働者ばかり、つねに雇用不安を抱 えて働く労働者たち。少数になった正社員を含め、ただ働きが合法化され過労死が続出す るほどの長時間労働に追い込まれる。不当解雇が相次いで裁判に訴えても、企業の勝訴が 相次ぐ…。 法案がねらうのは、こんな社会です。 小泉内閣が「骨太方針第二弾」(〇二年六月閣議決定)で打ち出した「経済活性化戦略 」を推進し、「企業活動にとって魅力ある環境を整備」するためまとめられた労働法制の 各改悪法案。企業の売り上げが落ちてもこれまで以上のもうけを得るために、できるだけ 安い賃金で必要な時に必要なだけ労働者を使えるよう、政府が企業の人件費コストの削減 を法的に支えることを示しています。財界のつよい要求にこたえたものでした。 全労連や連合など労働界、法曹界から、抜本修正や廃案を求めるつよい批判があがって います。 ------------------------------------------------------------------------ 2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」 労働法制改悪 きょう審議入り ここが焦点 法案の中身 ------------------------------------------------------------------------ 法案の内容をみると−−。 《派遣−製造業に解禁》 労働者派遣法改悪案は、派遣期間の上限を一年から三年に延長し一部専門業務は無制限 に、製造業務は派遣解禁にします。 派遣期間の上限が延長されても、現在派遣で働く労働者の契約期間が延長される保証は ありません。企業は、不要になったらいつでも契約が打ちきれるよう、現在でも一カ月か ら三カ月といった短期契約を更新しています。ねらいは、一年では困難な正社員などが行 っている業務を派遣に置きかえることにあります。とくに、八百万人が対象となる製造業 務への解禁は重大です。派遣へのおきかえが大規模にすすむことは避けられません。 派遣労働は、派遣会社が雇用した労働者を企業にレンタルするしくみ。使用者である企 業が雇用責任を負わずにすむため、企業の横暴がまかり通っています。 《有期・裁量制の拡大、解雇の自由化》 労基法改悪案は、▽パートタイマーや契約社員など有期雇用の上限を現行一年から三年 に延長する▽働いた時間でなく仕事の成果で賃金をはかる企画業務型裁量労働制を本社以 外にも大幅拡大する▽原則解雇自由になりかねない解雇規定の創設−−が柱です。 有期雇用の上限延長は、派遣労働の場合と同様、パート労働者の雇用期間が延長される 保証はなく、正社員の業務を有期雇用におきかえることがねらいです。いつでも退職の自 由がある正社員と異なり、有期雇用では契約期間中に退職すれば、企業から損害賠償を請 求されかねない問題もあります。 裁量労働制の拡大は、大企業で横行する企業犯罪であるサービス残業をホワイトカラー 全体に合法化し、「成果」の名のもとに過労死するほどの長時間労働を強いるものです。 現在、仕事や時間配分の裁量権がないのに導入されているケースが多くあります。 解雇規定の創設では、使用者は「労働者を解雇できる」と原則解雇自由とし、例外とし て「ただし、客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合 」は権利乱用で無効としています。「解雇には正当な事由が必要」という判例で確立した 法理を逆転させるものです。現在、解雇の立証責任は使用者に課せられていますが、これ が労働者に課せられることになりかねません。 |