独行法反対首都圏ネットワーク |
『毎日新聞』記者ノート 2003年3月31日付 こんな文科省いらない この1年近く、国立大の法人化や教育基本法の改正、構造改革特区などの問 題を取材し、文部科学省は不要だと確信した。ビジョンや説明能力に欠ける集 団に思えるからだ。 一連の教育改革は同省がビジョンを描いて進めたというより、市場原理の導 入を求める外圧に屈したのが実態である。改革派はデータを示し、「民間や地 方に任せて競争すれば、教育の質が高まり、選択肢が増える。経済効果がある」 と主張する。文科省はこれに抵抗するが、対案を示さないので説得力がない。 選択には自己責任が伴い、それを徹底すれば、貧困や親の無理解などで選択 能力に欠ける家庭と、そうでない家庭の格差が拡大する可能性がある。「競争 一辺倒の社会より、公的な関与を残すほうがこれだけ経済損失は少ない」など と反論すればいいと思うが、そういう発想はないようだ。 基本法改正に合わせて作成する教育振興基本計画では「いじめや校内暴力を 5年で半減する」という。もともと確たるデータもないのに、半減したことを どう立証するのか。達成できたかどうか検証できない目標を例示するようでは 先が思いやられる。【横井信洋】 |