独行法反対首都圏ネットワーク |
『朝日新聞』新潟版 2003年4月8日付 新潟大学有志の会 法人化に「もの申す」 「意見集約のやり方に問題がある。いろいろな人の意見を採り入れてほし い」。新潟大学理学部の谷本盛光教授は2人の副学長を前に、不満をあらわに した。 昨年12月、大学当局は教職員を集め、04年度から予定される国立大学法 人化に向けた取り組みの中間まとめを説明した。 法人の運営には、新設の「経営協議会」があたる。協議会のメンバーの半分 以上が学外の有識者。これまで大学の運営に大きな影響力を持っていた「教授 会」は、学部内の教育だけを審議する−−。文部科学省が昨年3月に出した最 終報告に、完全に沿った内容だった。 一般の教職員には詳しい情報提供も意向調査もなく、一方的に告げられた方 針。説明会では教職員からの質問や批判が相次いだ。 ボトムアップではなくトップダウン。中間まとめの検討の仕方そのものが、 国立大学法人法案の内容を先取りしていた。「法人化されれば自由になるなん てウソ。このままでは教育・研究の自由が統制されてしまう」。危機感を抱い た谷本教授らは有志を募り、アピールを出すことにした。 学長は法案に反対の意思を表明すること。新潟大学で進められている法人化 準備作業の総点検と方向転換を行うこと。アピールの主張はこの2点だ。 アピールへの署名は、1カ月半で約340人分が集まった。理学部、農学部、 教育人間科学部については、教員の過半数が署名した。 しかし、有志の会では法人化や大学改革自体に反対しているのではないとい う。「国立大学のあり方について批判があることは承知している。大学の中の ことをもっと説明していく責任があると思う」と呼びかけ人の1人、立石雅昭・ 理学部教授はいう。 長谷川彰学長は法人化への見解を一般教職員の前で一度も示していないとい う。有志の会では近く、学長に署名を渡し、思いを直接訴えようと考えている。 |