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独行法反対首都圏ネットワーク

☆ 2/24国大協理事会への連名要請文
 「国立大学法人法案」に反対する大学教職員交流連絡会
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『「国立大学法人法案」に反対する大学教職員交流連絡会』(略称:「交流連絡会」)
の事務局です。

遅くなりましたが、2/24に行われた国大協への要請行動の際に、国大協理事会へ提出
した組合代表者による連名の要請文を以下にお送りします。

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国大協は早急に臨時総会を開催し、
「概要」に基づく「国立大学法人法案」に明確な反対の意思を表明すべきである
−−大学の危機に際して、全国の国立大学長のみなさんに訴える−−


 国大協執行部は、4学長の臨時総会要求を無視し、2月20日の法人化特別委員会と2
4日の理事会で国立大学法人法案(「概要」)にゴーサインを与えようとしています。
政府および文部科学省は、これによって国大協の合意が得られたとして、月末にも法
案の閣議決定を行なうことになるでしょう。
 国会議員の間の支配的な雰囲気は、大学が反対しないなら問題にすることも難しい
というものです。実際、文部科学省は、「国大協では長い間、法人化について真っ二
つに意見が分かれていましたが、賛成ということで意見の統一がはかられたとのこと
ですので、この法案を通常国会に提出いたします」という趣旨で政党に対する法案説
明を行なっており、「大学がまとまっているのなら、これを尊重する以外にない」と
いう見解が野党議員のなかでも支配的だと言われています。(『「国立大学法人法案
(仮称)」関係6法案の概要』の公表について  2月14日  独立行政法人反対首都圏

 しかし、国立大学は本当にこの法案に同意できるのでしょうか。
 2月10日の学長会議における遠山文科大臣の挨拶でも、独法化によって大学のあり
方は根本的に変わることが示唆されています。現時点では、独法化しても現状は維持
されうるであろうという見方に立って、法案を黙認することは最悪の選択です。中期
目標終了時の事業の改廃まで含む独立行政法人通則法の枠組みを前提にした国立大学
法人法案は、「大学の自治」をほとんど崩壊させてしまうでしょう(「独立行政法人
通則法特例法としての国立大学法人法案」2月9日  独立行政法人反対首都圏ネットワー
ク)。そのような根本的な国立大学の(ひいては日本の大学制度の)改変を受け入れ
るのか、あるいはこれを拒否するのか、それが問われています。

 国大協は、昨年4月19日の臨時総会で、「この最終報告の制度設計に沿って、法人
化の準備に入ることとしたい」という会長談話を了承しました。この臨時総会の決定
は、異例の「採決」をするなどきわめて問題の多いものでしたが、この会長談話の趣
旨からみても、現在まで明らかにされている「法案概要」は到底受け入れることので
きないものになっています。以下に見られるように、「最終報告」と「法案概要」の
間には重大な齟齬があるからです。
○ 国立大学の設置主体を、「国」から「国立大学法人」としたこと
○ 「経営協議会」の学外委員の数を「過半数」としたこと
○ 「教育研究評議会」(名称変更)の審議事項から「教育研究組織」が脱落。教学
と経営を分離した上で、教学を担当する評議会の権限は大幅に弱化させられたこと
○ 「学長選考会議」の構成については、経営協議会からの委員を学外委員に限定し、
かつ学長・役員も構成員としうるとしたこと(「意向投票」も脱落)
○ 学長が、役員会、経営協議会、教育研究評議会のいずれをも主宰することになり、
学長への過度の権限集中がなされたこと
○ 学長解任事由に「業績の悪化」が加わり、学外委員や文部科学省からの学長に対
するコントロールが強められていること

 これらの点は、「最終報告」からはまったく想定されえないものです。しかも、い
ずれも大学のあり方を左右する重要な意味をもっています。1月31日の法人化特別委
員会に提出された法制化グループの意見は、これらの変更点を「最終報告」の趣旨を
逸脱するものではないとしていますが、きわめて問題の多い議論です。(分析メモ
改訂版:「国立大学法人法案概要と法制化グループ意見」2月9日  独立行政法人反対
首都圏ネットワーク)少なくとも、昨年4月19日の臨時総会の時点では、多くの学長
がこのような法案になることは予想していなかったのではないでしょうか。
 さらに重大なことは、現在正式に公表されているのは「法案概要」のみであること
です。 独立行政法人首都圏ネットワークが配信した「検討途中の法案全文」を見る
と、「法案概要」の本質がさらに鮮明になります。(「独立行政法人通則法特例法と
しての国立大学法人法案」2月9日  独立行政法人反対首都圏ネットワーク)つまり国
立大学法人の構造を正確に分析するためには、まず法案全文の公開が不可欠なのです。
さらに、国立大学法人法案と同時に国会に提出されようとしている「国立大学法人法
等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」の分析なしには、国立大学法人体
制全体を見渡すことができません。例えば、教授会がどのように位置づけられるのか、
あるいは位置づけられないのか、は国立大学法人法だけでは判明しないのです。各国
立大学においては、これら国会に提出されようとしているすべての法案の全面的分析・
検討を経て、最終的な態度を決定しなければなりません。その上で、国立大学総体と
しての意思決定を国大協において行うことが、国立大学の社会的責任ではないでしょ
うか。
 国大協の意思決定は、「法案概要」が昨年4月19日の臨時総会で了承された会長談
話から逸脱している以上、総会でなされなければなりません。総会の下部機関の理事
会で処理することは民主主義の原則に反します。国大協執行部は予定されている24日
の理事会を臨時総会に切り替えるか、あるいは24日の理事会で臨時総会の早急な招集
を決定すべきです。文部科学省は国大協総会での意思決定以前に法案の閣議決定をす
るなどという暴挙を行ってはならないことはいうまでもありません。

 「明治以来の我が国大学制度の大きな転換点」(2月10日の遠山文科大臣の挨拶か
ら)にあたり、時の国立大学学長としての自覚をもち、良心に恥じない行動を取られ
るよう切望するものです。


北海道大学教職員組合 執行委員長 加藤 幾芳
室蘭工業大学職員組合 執行委員長 橋本 忠雄
北見工業大学教職員組合 執行委員長 原田 康浩
全大教北海道 執行委員長 増子 捷二
弘前大学職員組合 中央執行委員長 宮永 崇史
秋田大学教職員組合 委員長 佐藤 修司
岩手大学教職員組合 委員長 井上 隆義
山形大学職員組合 執行委員長 我妻 忠雄
新潟大学職員組合 中央執行委員長 成嶋  隆
宇都宮大学職員組合 委員長 浅野 功義
茨城大学教職員組合 執行委員長 早川 唯弘
茨城大学教職員組合 書記長 瀧澤 利行
筑波大学教職員組合 執行委員長 鈴木  亨
高エネルギー加速器研究機構職員組合 委員長 中西  弘
高エネルギー加速器研究機構職員組合 副委員長 吉見 弘道
高エネルギー加速器研究機構職員組合 書記長 橋本 義徳
千葉大学教職員組合 委員長 伊藤 谷生
東京大学職員組合 委員長 小林 正彦
東京外国語大学教職員組合 委員長 岩崎  稔
東京工業大学職員組合 委員長 山崎 正勝
東京農工大学教職員組合 委員長 加茂前 秀夫
お茶の水女子大学教職員組合 執行委員長 宮尾 正樹
東京都立大学・短期大学教職員組合 委員長 大串 隆吉
東京地区大学教職員組合協議会 議長 神保 勝久
横浜国立大学教職員組合 委員長 土井 日出夫
信州大学教職員組合連合会 執行委員長 関口 順一
福井大学教職員組合 執行委員長 森  透
植田 健男 (名古屋大学職員組合 中央執行委員長)
池内  了(名古屋大学のあり方を考える有志の会  共同声明 呼びかけ人代表)
愛知教育大学教職員組合 執行委員会委員長 南  守夫
岐阜大学教職員組合 執行委員長 末永  豊
京都教育大学教職員組合 委員長 岩村 伸一
大阪外国語大学教職員組合 委員長 水田 明男
和歌山大学教職員組合 執行委員長 柏原  卓
神戸大学教職員組合 中央執行委員長 大津留  厚
徳島大学教職員組合 執行委員長 中嶋  信
高知大学教職員組合 中央執行委員長 保坂 哲郎
九州工業大学教職員組合 委員長 坂本 哲三
長崎大学教職員組合 執行委員長 上江田 一雄
佐賀大学教職員組合 委員長 白武 義治
熊本大学教職員組合 執行委員長 篠崎  榮
橋本 修輔(現在、宮崎大学教職員組合 執行委員長)
鹿児島大学教職員組合 委員長 山根 正気
日本科学者会議 琉球大学分会 代表幹事 新垣  進