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☆埼玉大 研究と教育 教員分離 
 .『読売新聞』2003年3月6日付
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『読売新聞』2003年3月6日付

埼玉大 研究と教育 教員分離
理工系学部と大学院を改組


 埼玉大学(兵藤■(つとむ)学長)は2004年度から、理工系の学部と大
学院の組織を見直し、研究と教育それぞれに専従教員を配置する方針を決めた。
国立大学が学部規模で研究と教育を分離するのは全国初。同年度にも始まる独
立行政法人化をにらんでの措置で、研究力の向上と合わせ、産学連携も含めた
経営基盤の強化を図り、大学間競争を勝ち抜く狙いだ。

 組織改革は、埼玉大の理学部、工学部、大学院理工学研究科を研究部門と教
育部門に分離、計223人の教員(2002年5月現在)を振り分け、一定期
間で交代させる。配置人数や交代期間などは今後検討する。文部科学省は「こ
れほど大規模な組織改革は聞いたことがない」(専門教育課)としている。

 埼玉大によると、研究専従の教員は、講義の負担がなくなることで研究者相
互の情報交換や協力関係を緊密化でき、研究レベルを向上させ、研究期間の短
縮も見込める。合わせて、特許の取得増加や産学連携の円滑化、大学の研究成
果を生かしたベンチャー企業の創出などの効果も期待できるという。一方、教
育専従の教員も、講義の準備や学生の指導に十分な時間を充てられるようにな
る。

 各国立大では現在、ベンチャー企業を起こすなど、産学連携による収入確保
に躍起だ。山口大では1999年、教官50人が出資して会社を設立。研究で
得た特許を権利化して企業の橋渡しを行い、ロイヤルティー収入を得ている。
また他大学でも、こうした技術移転機関(TLO)の設立が進んでいる。

 埼玉大では、2001年度の予算規模135億円に対し、産学連携などによ
る学外収入は7億円程度に過ぎず、独立行政法人化に備えて経営基盤の強化が
不可欠な状況にある。

 兵藤学長は「資金確保のためには研究力の強化が必要。国内外の優れた研究
者が集まってくれることを期待したい」と話している。

■=「金」に「りっとう」