理事会議事概要

 

 

日 時 平成15年2月24日(月) 15:00〜17:30

場 所 学士会館 203号室

出席者 長尾会長

    石、松尾副会長

    中村、秋山、吉本、北原、磯野、佐々木、池端、相澤、林、佐藤、岸本、野上、

鮎川、梶山、齋藤、内藤各理事

   隆島第4常置委員会、宮田第5常置委員会、岡本教員養成特別委員会委員長

    兵藤、板垣監事

 

 長尾会長主宰のもとに開会。

会長から、学長交代に伴い新理事に就任した吉本 高志・東北大学長の紹介の後、事務局長から定足数の確認があり、議事に入った。

 

〔議 事〕

 

T.報告事項

1.事業報告

資料1「事業報告書」により、昨年11月定例総会以降の国大協の活動状況を確認した。

 

2.各委員会等の現状報告

   資料2「各委員会等における当面の課題とその対応状況」により、各委員会の当面の課題と対応状況が確認された。

 

U.協議事項

 1.平成15年度国立大学協会歳入・歳出予算(案)について

 

○ 平成15年度国立大学協会歳入・歳出予算案について了承し、6月の総会に付議することとした。
 

 2.6月の役員・委員の改選に伴う今後の手続きについて

 

  ○ 6月の役員・委員の改選について、(資料4)の手続きにより行うことが了承された。

 

 

 3 「国立大学法人法(仮称)」の概要に対する国立大学協会としての見解について

 

  ○ 国立大学法人化特別委員会 石委員長から、「国立大学法人法案の概要に対する法人化特委の見解」について、同委員会における見解とりまとめの経緯及び見解の内容について詳細な説明があり、会長から、これに対する理事会としての見解を(資料5)のとおり取りまとめることが提案された。

 

  ○ これらに関し、次のような質問・意見交換等があった。

   

   ・ 法案概要では、必要な通則法を準用するとなっているが、どこを準用するのか分からない。インターネットで昨年12月段階の法人法案を掲載しているが、それによれば、中期目標の期間の終了時点で、通則法第35条が準用されるとなっている。これは調査検討会議の最終報告の評価の趣旨等を逸脱するのではないかと危惧する。

 

   ・ 法案概要で、国立大学の設置者を国立大学法人と定義しているが、文科省の説明及び法人化特委の見解で、これまで国大協として議論を重ねてきた国立大学の法人化の問題、その中での設置者の問題について、各大学の持っている懸念、疑問に対して答えていることになるのか、色々意見があるところだと思う。

 

   ・ 経営協議会と教育研究評議会は対等に位置付けられているといっているが、経営協議会は、国立大学を設置する法人の経営に関する重要事項を審議するとなっており、教育研究評議会は、国立大学の教育研究に関する重要事項を審議するとなっている。国大協で経営と教学は一体であるとした議論とは違い、経営と教学が分離して扱われているように感じる。

 

   ・ 法案概要についての法人化特委の見解の中で、「解釈する」あるいは「要望する」というような表現部分は、対文科省との関係でどういう意味をもつのか。

 

・ 法案概要に対して多くの大学から疑問を含んだ意見が出されている。この意見にも種々のものが入っているが、その中の一部のみを反映させて法制化対応グループのレポートを修正して法人化特委の見解とすることで、各大学に理解されるかどうか心配である。昨年4月の臨時総会で、調査検討会議の最終報告の制度設計に沿って法人化の準備に入ることを了承し、その方向で進んできた。その最終報告と法案概要が沿っているものかどうか、各大学の皆さんに心配があると思う。各大学からの疑問点等について説明会を開催し、議論をしたうえで納得いただき、具体的な準備を進めたいというような態度を示す必要があると思われる。

 

   ・ 法人化特委の見解は、各大学の意見を踏まえて取りまとめられたものであり、これを各大学に示した後、法案が出てから次の段階に進むのではないか。

 

   ・ 「資料5」の最後の3行のように、なし崩し的に事柄が進んでよいものかどうか。国大協として明確な姿勢を出す必要はないか。

 

   ・ 法案が国会で議論されるときに、国大協は何を考えているのか明確でないまま議論がされるということに対し、大学長の集まりとしてはどう考えるべきか。国会に法案が提出される前に、国大協として具体的な意見の表明をしておく必要はないか。

 

   ・ 国のあるべき姿を考える大学が、何らの意思表示もなく法制的な問題だと押し切られて新制度が出来たというのでは、現に学長職に在る者として責任がとれない。

 

   ・ これだけ多くの大学から意見が寄せられていることは、臨時総会等を開催するだけの重みがあるのではないか。

 

   ・ 国大協の意見をはっきり言う必要がある。法案概要に対する見解についても明解な記述にする方がよい。

 

   ・ 法案内容を理解するための手順をきちんと踏んで進めるべきではないか。

     今の状況の中で、大学から法人化を撤回しろというような角度からの意見は出ないと思われる。それだけに構成員の方々が納得するような、様々な意見に対して率直に表明し合い、一定のやり取りを経て、理解をした上で進むという態度を取るべきであると考える。

 

・ 本日の理事会としては、「法案概要」についてどういう処理をするかというところに基本的に留めるべきではないか。理事会見解案の最後のまとめにある3行は、少し踏み込み過ぎている。この時点では、法案概要に対する見解の線よりも退くような形の法案にならないように要望することが必要。法案が国会に提出され、その点検をした後しかるべき段階で、国大協としての結論的見解をまとめるのがよい。その流れの中での取り扱いについては、会長・副会長の判断に委ねてはどうか。

 

   ・ 今の時点で考えると閣議決定前に総会を開くことは、物理的に難しいと思う。法案概要段階に対する意見を本理事会で決め、その後、法案が出てから国大協としての見解を出す方向で対応してはどうか。

 

・ 少なくとも法案概要に対する見解に示されている内容は、国大協として絶対守ってほしいとの意思表示。法案が出る前にこのことを明確に示しておく必要がある。

 

  〇 会長から、「閣議決定までに説明会等を開催することは不可能と思われる。法案が国会に提出された段階でその内容を検討し、国大協として表明すべきことがあれば内容をはっきり示して、理事会で承認を得て発表するなり、あるいは臨時総会を開催して議論することも視野に入れて対応を検討することとし、本理事会においては、(資料5)の最後の3行を修文して理事会見解とすることを了承願いたい」旨の発言があり、これを了承した。(会議終了までに石委員長から口頭で修文案が示され、基本的に了承された。)

 

 4 「国立大学法人評価委員会」設置に関する要望について

 

  ○ 会長から、国立大学法人評価委員会の問題はきわめて重要な事柄であり、文部科学省に対し(資料6)のような具体的な要望を行いたい、との提案があり、了承した。

 

 5 新国大協(仮称)設立へ向けての諸問題について

(1)      準備委員会の検討状況について

 

  ○ 新国立大学協会(仮称)設立準備委員会 佐々木委員長から、(資料7)により委員会の活動状況が報告された。

 

(2)      平成17年度以降の国立大学一般職員の採用筆記試験の実施準備体制について

 

  ○ 会長から、平成17年度から採用筆記試験を実施することになると、本年の夏ぐらいから具体的な準備に入らないと間に合わないため、5月頃までに準備委員会で制度設計を行い、6月総会で方針を決め、同時に実施準備のための委員会を設置して検討したい、との提案があり、了承した。

 

(3)      新国大協へ引き継ぐ必要がある各常置委員会の継続事業について

 

  ○ 会長から、現在の国大協の常置委員会で実施中の事業等で、新国大協に引き継ぐ必要があるものについて、各委員長からご意見を伺い(資料8)のとおり取りまとめたが、各委員会で再度検討いただいて確定し、早い機会に設立準備委員会に申し出たい、との発言があった。

 

 6 平成18年度以降の入学試験実施方法等について

 

  ○ 第2常置委員会 中村委員長から、平成16年度入学者選抜実施要領・細目について(資料10)、国立大学法人化後の入学者選抜について(資料11、12)、平成18年度からの大学入試センター試験について、説明があった。

 

  ○ 「国立大学の入学者選抜についての平成16年度実施要領(案)」、「国立大学の入学者選抜についての平成16年度実施細目(案)」について了承し、法人化後の入学者選抜、平成18年度からの大学入試センター試験については、引き続き第2常置委員会で検討を行い、総会で決定することとなった。

 

V その他

 

 〇 平成15年度の主要会議について、(資料13)のとおり確認した。

 

  ○ 大学の再編・統合の問題は重要な問題であり、教員養成大学・学部の再編・統合の問題として教員養成特別委員会で検討しているが、国大協全体として検討すべきである、との発言があった。