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独行法反対首都圏ネットワーク

☆公明党にメッセージ 
 国立大学独法化阻止全国ネットワーク 事務局長 (佐賀大学教授) 豊島 耕一 
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佐賀大学/全国ネットの豊島です.
さきほど,公明党に次のメッセージを送りました.閣議決定までは与党や与党議員への
働きかけが重要かと思います.

http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/toKomeito.html
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公明党 御中

  国立大学を「法人化」する法案の閣議決定に反対されるようお願いします.

       国立大学独法化阻止全国ネットワーク
       事務局長 (佐賀大学教授)
         豊島 耕一
       840-8507 佐賀市本庄町1
       佐賀大学理工学部物理科学科 
       電話/ファクス 0952-28-8845

 拝啓
 貴党の国政においてのますますの御活躍を尊敬申し上げます.
 国立大学の独立行政法人化問題に付きましては,昨年10月24日付けでお手紙を差
し上げ,この制度の問題点についていくつか申し上げました.さて,いよいよこの問題
も閣議決定が間近と見られており,与党としてこれに関わられる貴党に,再度お願いの
お手紙を差し上げます.

 国大協に示された「法案概要」によりますと,準備されつつある法案は実質的に独立
行政法人制度と変わらないものであり,大学を文部科学省という官僚組織の直接支配下
に置くものであることが明かになったと思います.

 貴党は,私どもが一昨年の参院選の際にお願いしたアンケートにおける,国立大学の
独立行政法人化に賛成か反対かという問いの選択回答に,「どちらとも言えない」を選
ばれ,「その理由」の欄に次のようなお答えをいただきました.(詳しくは下記のサイ
ト1をご覧下さい.)

  「現在検討中。国立大学は学問研究と教育機関の場として、学問の自由をは
  じめその自主性・自立性が保障されることが不可欠であり、国立大学の独立
  行政法人化および民営化について、この前提のもとに議論がなされなければ
  ならないと考えます。また、財政問題が十分に考慮されることが必要で、独
  法化や民営化を行うことによって学生の経済的負担が増えるといったことが
  ないよう、議論は慎重に行われる必要があると考えます。大学の研究・教育
  の水準の維持・向上をいかに図っていくかを含め、21世紀の大学のあるべ
  き姿について現在検討を進めているところです。」

 現在提案されている制度における「中期目標」が,いかに「大学の意見を聞いて」と
いうリップサービスが添えられていても,これが文部科学省から大学への命令であるこ
とには変わりはなく,このようなものは戦前の大学制度に於いてさえ見られなかったも
のです.このような官から学への命令制度が,貴党が上で述べられた,「学問の自由を
はじめその自主性・自立性が保障される」ものであるどころか,これを根本から否定す
るものであることは明かではないでしょうか.

 新潟大学法学部教授で日本教育法学会理事の成嶋隆氏は,「国立大学の『行法化』と
教育基本法10条」と題する文書(サイト2)の中で次のように指摘しています.

  「昨年3月の文部科学省調査検討会議「最終報告」や、最近示された「国立
  大学法人法案」の「概要」などによれば、大学における研究・教育の基本計
  画は各大学において策定するものとされている現行方式を改め、法人化後は、
  文部科学大臣が各大学の「中期目標」を定め、またその「中期計画」を「認
  可」することになっている。これらの「中期目標」「中期計画」の達成度は、
  「独立行政法人大学評価・学位授与機構」などによる「評価」にかけられ、
  その評価結果に基づいて運営費交付金の交付額や組織そのものの改廃が決定
  されるという。このようなシステムは、戦前の大学制度においてさえ存在し
  なかったものであり、諸外国にも例をみない、極めて国家統制色の強い制度
  である。もちろん、教基法10条に真っ向から反する。とくに指摘したいのは、
  このシステムが、これまで教基法10条との関係で問題とされてきた教育の国
  家統制のありかたとは比べものにならないほど、国家統制の度合いが強いと
  いうことである。・・・」

 貴党におかれましては,教育基本法の「改正」に対しては慎重な態度を取られている
と伺っております.しかるに,今回提案されている「国立大学法人法」は,成嶋氏が指
摘するように,この10条を実質的に無効にするものであり,この「改正」の先取りと
言えるのではないでしょうか.法律の明文改悪をしないことは最も重要ですが,しかし
「解釈改悪」,あるいは空文化もこれに劣らず重要な問題です.

 どうか,貴党が,社会における自由の重要な砦である大学を,戦前よりも悪い自由の
ない状態にしてしまう制度に賛成されることがないように,「角を矯めて牛を殺す」の
愚策に加担されることのないように,心からお願い申し上げます.敬具

2003年2月26日

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