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独行法反対首都圏ネットワーク

☆「国立大学法人法案の概要」に関する意見の提出について 
 .平成15年2月14日 宮崎大学長 藤原 宏志
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               平成15年2月14日
国立大学協会法人化特別委員会
委員長 石 弘光 殿
                                                                                       宮崎大学長
                                                                                            藤原 宏志
              「国立大学法人法案の概要」に関する意見の提出について
 
平成15年1月31日付け国大協企第1号をもって通知のありました標記のことについて、下記のとおり意見を提出しますので、早急に対応方よろしくお願いいたします。
1.「国立大学法人法案の概要」は、国立大学を設置するための「国立大学法人」について規定するものであり、そこに設置される「国立大学」の中身がほとんど明らかにされていない。また、「関係6法案の概要」の「・国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(仮称)」の内容も明示されていないので、「国立大学」はどういう姿になるのかが不明確である。したがって、両法案の全容を直ちに明らかにすべきである。
2.「I総則」の2で「大学…における教育研究の特性に配慮」とあるが、ここに、「大学の自治および学問の自由」という具体的な特性を明記すべきである。

また、前述の(1)とも関連するが、学部教授会の権限や附属図書館などの位置付けを明確にすべきである。
3.「法人」の長は学長が兼ねることになっているが、「法人」が「大学」より上位に位置することは法的に明確に打ち出されている。また、「法人」の役員会は、中期目標の全体、予算の編成から決算、さらに重要な組織の設置・廃止など権限が非常に大きくなっている。一方、「大学」の「教育研究評議会」には学外者が入る可能性があり、審議事項については教育研究の狭い事項に限定されており、「最終報告」と大幅に異なっている。
4.学長は、理事の解任権をもつなど権限が強化される一方、学長選考にあたって、「大学」内部の教職員が関与できることが明記されていない。また、学長の専横体制を抑えるための学内のチエック機能がなく、「大学」全体の自主・自律が保障されていない。学長からのトップダウンばかりが強調され、ボトムアップの体制が不備である。
5.今後の日程について、2月中に閣議決定、国会上程とのことであるが、法案の成立のめども明らかでない。法律が成立してからなお、政令や省令を整備し、2、3、年の試行期間を経て実施されるのが通例である。文部科学大臣が、「国立大学の法人化は、明治以来の我が国大学制度の大きな転換点」と言われるのであれば、なおさらのこと、拙速を避け、より整備した形での発足が必要である。
                             (以上)