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☆任期制採用の京大教授、再任拒否の無効求め仮処分申請へ 
 .2/18asahi.com速報 
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任期制採用の京大教授、再任拒否の無効求め仮処分申請へ

 5年任期で採用され、4月末に任期切れを迎える京都大再生医科学研究所の井上一知教
授(57)が、同研究所の行った再任拒否決定は無効であるとし、近く、地位保全の仮処
分を京都地裁に申し立てる。文部科学省によると、任期制教授職の再任審議の正当性を問
う訴えは初めて。
 申立書などによると、井上教授は98年5月、京大医学部助教授から同研究所の教授に
5年任期で採用された。再任を希望する井上教授は、研究所内部の人事決定機関である協
議員会の申し合わせ(内規)が決める手続きに従い、昨年4月、再任の審議を申請した。
 
 内規によると協議員会は、外部評価委員会の評価に基づいて再任の可否を審議決定する
。学外の専門家ら7人による外部評価委員会は「井上教授の再任を可とすることに全委員
が一致して賛成」と報告した。しかし、協議員会はその後、数回の会合を経て、無記名投
票で再任拒否を決めた。
 井上教授は協議員会の委員長である山岡義生・同研究所長に異議を申し立て、理由説明
を求めているが、返事は来ていないという。
 井上教授は「しかるべき理由もなく外部評価委員会の評価と正反対の決定が下されるの
は納得できない。再任の審査で不公平な運用が行われ、意図的に再任拒否の決定がなされ
たのでは、任期制教官の学問の自由が守られない」と話し、適正な審議を求めている。
 一方、協議員会のメンバーの一人は「外部評価委員会の報告には井上教授の研究につい
て質問点などが指摘されており、協議員会で本人から説明を受けた結果、再任は否決され
た」と説明する。
 消化器外科医の井上教授は、インスリンを分泌する膵島(すいとう)細胞の移植などに
ついて研究している。一昨年、日本再生医療学会の創設に加わり、初代会長を務めた。
 文科省によると、任期制大学教員は現在、全国に約3千人いる。来春の国立大学独立法
人化後にはさらに増える見通しだ。再任の可否を審査するシステムは各大学に任されてお
り、標準ルールが確立していない。
 <山岡・同研究所長の話> よく吟味した上で対応を検討したい。
(06:44)