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独行法反対首都圏ネットワーク

☆教授会・評議会で行法化の是非そのものを議題に
  .佐賀大学/独法化阻止全国ネット:豊島(reform:04394)

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  佐賀大学/独法化阻止全国ネットの豊島です.

  今朝の新聞で報道されましたが,全国ネットは代表の山住氏を失いま
  した.奥様はじめご家族の皆様の悲しみを拝察すると共に,氏の遺志
  を何倍にも受け継いで,行法化阻止のために活動したいと思います.


教授会・評議会で行法化の是非そのものを議題に

 「法案の概要」*と称する文書の“リーク”がなされていますが,間もなく法案
そのものも明らかになるでしょう.このような時点に際して,すべての国立大学関
係者個人と教授会,評議会には新たに大きな責任が生じているように思われます.
それは,国立大学行法化が正式に国会と国民に提示されようとする今こそ,当事者
にはそれが何ものであるかを正直に証言する義務が課せられているのではないかと
言うことです.
 これまで大学関係者は「中期目標」作成という,この制度への事前協力に荷担し
て来ました.しかしこれは「仮に行法化すれば」という,仮定の上の,相対的な対
応であったはずです.どの大学も明示的に「行法化無条件支持」を議決したとは聞
いていません.したがって法案そのものの是非を検討することと,上の相対主義的
活動とは何ら矛盾しません.実際,国大協は法案についての意見を求めているので
す.
 つまり今まさにこの制度の「絶対評価」が大学に求められています.「中期目標」
の内容はさておき,そもそも行法化が大学にとって良いのか悪いのか,その当事者
としての評価を示さなければなりません.当事者の正直な意見表明なしに,国民が,
そして国会が正確な判断をすることには大きな困難がともなうでしょう.
 具体的には,各大学の教授会,評議会で,行法化の是非について審議することが
決定的に重要だと思います.反対運動をしている活動家の教員の皆さんは,あるい
は行法化に疑問を持つ方は,教授会・評議会で是非ともそのような提案をしていた
だきたいと思います.2.1集会宣言にも「教授会、評議会、学長への要請行動」
というのがありますが,教員の場合は自分自身がそれらの機関のメンバーなのです.
法制上,唯一「重要事項」を審議する権限が与えられている教授会の責任はとりわ
け大きいと思います.行法化問題が大学にとっての「重要事項」でないはずがあり
ません.
 また,文通団の中には評議会メンバーの方も,あるいは学長もおられるかも知れ
ません.「どうせ取り上げられないだろう」といって沈黙するのは責任回避です.
会議で法案反対の意見が通る可能性は小さいかもしれませんが,しかし個人は責任
を果たさなければなりません.必ず採決を取り,だれが賛成し反対したか,一人一
人の責任が明らかになるようにしていただきたいと思います.組合の集会などで原
則論を言うのは「周辺的」な活動です.本務でこそ責任を全うしていただきたいと
思います.もちろん私自身も所属の教授会でそのようにしていますが,まだ成果は
ありません.
 その教授会でも感じるのですが,何か法案そのものを審議するのは畏れ多い,と
いうような雰囲気がたしかにあります.極端な臆病さが支配しています.その正体
が何かを見極めるのが重要たど思います.もちろんテロの脅しがあるわけではあり
ません.国鉄解体の時のように,直接教員に解雇の脅しがかけられているわけでも
ありません.要するに「葵の御紋」に過ぎないのです.「水戸黄門ドラマ」が及ぼ
す「テレビの中高年への悪影響」は広範なサブリミナル効果をもたらしていると思
われます.このドラマの暗示は「権力は究極的には善である」,「中央権力には刃
向かうものではない」というものです.このように,少なくとも国立大学への官僚
支配はその主要な基盤が文化的なものだと思われます.
 もちろんどの大学も,あるいはどの講座もすべてそうだと言うつもりはありませ
ん.封建的で困難な状況のところもあるでしょう.しかし私の感触では,多くの場
合教員は抵抗を「自粛」しているに過ぎないと思われるのです.「厳しい情勢」を
口にして自分の臆病さをカモフラージュする傾向はいただけないと思います.

 *「概要」をちらっと見ただけでも,導入されようとしている制度が近代性から
かけ離れた,いかにもグロテスクなものであることが分かります.まるで一党独裁
体制の社会に変わるかのようです.また,「法人」というのも,そのトップが大学
のそれと同一人であり,ペーパー・カンパニーのように見えます.

840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部  豊島耕一
toyo@cc.saga-u.ac.jp
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