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<法政大>金融市場で資金調達へ 学校法人初の格付け取得
毎日新聞ニュース速報
法政大(清成忠男総長)は6日、証券会社と組んで金融市場で資金調達する方
針を明らかにした。私大が市場を通じて資金を導入するのは初めて。法大はす
でに法人として格付会社の評価も受け、日立製作所などと同等の格付けを取得。
大学間の競争が激化する中で、財務の健全性をアピールする狙いもあるとみら
れ、今後ほかの大学にも波及しそうだ。
学校法人の資金調達は、学生の納付金のほか、銀行や日本私立学校振興・共済
事業団からの借り入れなどが主流。01年から学校債を一般向けに売却するこ
とが可能になったが、法的に投資対象とされず、市場で流通しにくい。
このため、法大は証券会社に学校債を売却。証券会社が学校債を担保に、大学
が設立するペーパーカンパニー(特定目的会社)の社債を一般の投資家に売る
という方法で、資金調達の手段を多様化する。学校債の売却時期や引き受ける
証券会社などは未定だが、都内のキャンパス再開発のため、数年以内に実施す
る可能性もあるという。
外部からの資金調達には教育、研究内容だけでなく、財務面の健全性も問われ
るため、法大は学校法人として格付会社「格付投資情報センター」(本社・東
京都)の評価を受け、「AA−」(ダブルAマイナス)の格付を得た。14段
階のうち上位から4番目で、日立製作所や三井物産などと同じ信用度と判断さ
れた。
少子化の影響で大学志願者は減少し、02年度は私大の3分の1が入学定員割
れを起こしている。04年度には国立大も法人化され、大学間の競争激化が予
想されている。
清成総長は「米国では、有名私大が格付けを取得するのは当たり前。生き残り
策として、資金調達を多様化する道筋をつけた」と話した。
米国では大学が債券市場を通じて資金調達するのが一般化しており、有名私大
は格付けを取得するのが当たり前になっている。
同情報センターは「知名度の高さや、近年の改革で入学志願者数を増やしてい
ることなどを評価した。ほかにも私大数校が格付を取得しようとしている」と
話している。
法大も加盟する日本私立大学連盟では「評価を受けるには、従来の大学の社会
的評価より低く評価されないため、財務内容を整えなければならない。しかし、
金融機関なども大学に格付け取得を働きかけており、情報公開にもなるので、
今後も同様の動きは拡大するだろう」と話している。【横井信洋】
[2003-02-06-21:18]
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