独行法反対首都圏ネットワーク |
he-forum各位 1/17/03
山形大学 品川敦紀
独法問題首都圏ネットが「国立大学法人法骨子素案」を公開されましたので拝見しました
。詳細な批判は、同ネットに譲るとして、私が一読して感じた点を一点だけ述べさせてい
ただきます。
それは、同法骨子素案どおりならば、「国立大学法人」の運営体制は、現職学長による長
期独裁・世襲体制を招きかねないという点です。
同素案によれば、役員は、学長が任命する理事と学長で構成します。そして、評議会には
、学長が指名する役員(=理事:教員とは限らない)を加えることが出来ます(人数制限
はありません)。
また、大学の運営方針を事実上決定する「経営協議会」の委員は、全員を学長が任命しま
す。
そして、次期の学長を選考する「学長選考会議」は、上記のようにして構成された評議会
と経営協議会から同数ずつの1/3を越える委員を選出したうえで、残りの1/3は、学
長と学長の指名する役員で構成することになります。
経営協議会は全員学長任命、役員も全員学長任命、評議会も一定数は学長任命となれば、
学長の任命による委員が「学長選考会議」の過半数はもとより2/3を上回ることすら、
いとも簡単にできます。しかも、学長の解任も、この「学長選考会議」が発議するのです
から、事実上、学長の首は安泰です。なぜなら、学長に刃向かう役員や経営協議会委員は
、解任して意に添うものに首をすげ替えればよいわけですから。
そして、新たに発足する国立大学法人は、発足時点での学長がそのまま学長になるという
のですから、2004年4月1日時点で学長である現職学長にとっては、これ以上はない
「おいしい話」です。きっとそうした学長たちによって構成される国大協は、同法に異を
唱えるようなことはないだろうーと思うと暗澹たる気分になります。
学長の再選禁止規定でもない限り、延々と現学長が再任されることもあり得ますし、学長
が替わる場合も、現学長の息のかかった後継者にだけ引き継がれていくということも大い
にあり得ます。学長の覚えのめでたさが、予算、人事などあらゆるものを決するという、
一部のワンマン経営私大で起こっている事態も、他人事ではなくなるでしょう。
こうなると、学長をはじめとする大学執行部の暴走・独裁に歯止めがかけられるのは、労 働組合しかない、ということになるのでしょうか? |