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独行法反対首都圏ネットワーク

☆「開放型」で教員養成−山形大が県に打診
 . [he-forum 4936] 1/9山形新聞ニュース
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山形新聞ニュース 2003年1月9日 木曜日
「開放型」で教員養成−山形大が県に打診

 南東北の国立大で行われている教員養成課程の再編・統合協議に伴い、新たな教員養成
の在り方を検討している山形大が、県に対し、地域連携型の「教師教育システム」を打診
していることが8日、明らかになった。県が提出した独自の試案を踏まえた内容だが、現
在の計画養成ではなく、いずれかの学部に教員養成機能を残す「開放型」を模索し、入学
定員は50人を想定している。

 長引く教育学部問題を収束しようと、学内で練った構想だが、教員養成機能をどの学部
に組み込むかといった点や学生定員の根拠が不透明。さらに依然として県が描くイメージ
と開きがあるため、高橋和雄知事らが了承するまでに至っておらず、まだまだ議論の余地
がありそうだ。

 山形大、県双方の関係者の話を総合すると、山形大の鬼武一夫、沼沢誠両副学長が高橋
知事ら県幹部と非公式に接触し、現段階の構想としてシステムの内容を説明、理解を求め
た。

 構想は(1)開放型の教員養成機能について審議する山形大教師教育機構(2)山形大、
県、山形市の3者が共同で教師教育の維持・発展を図る協議会(3)課程認定やカリキュラ
ム開発を担う山形大教師教育センター―の3組織設置が柱となる。

 教育学部で教員を計画養成している現方式から後退し、主に小学校の教員を養成する学
科、または専攻を設置する考え。付属学校・園は教育学部付属ではなく、山形大付属とし
て存続させる案が浮上している。

 両副学長はカリキュラムを工夫することで、計画養成に限りなく近い機能になると説明
。卒業生の大部分は小学校教員免許を取得することになるとして、県との折衷案になり得
ると判断したとみられる。

 こうした開放型システムは、既に神戸大が実施済みで、山形大の仙道富士郎学長は昨年
の早い時期から「神戸方式」を視野に入れていた。このほか、教員養成課程の再編協議で
、「担当校」を断念した福島大や鳥取大が導入に向けた検討を続けている。

 この日午後、県庁で記者団と懇談した高橋知事は「将来、先生になろうとしている人た
ちが不安にならないよう、(教育学部の)石島庸男学部長から本気になってもらわないと
いけない。そうでなければ、教育学部は残らない」と強調し、従来通り教育学部の存続を
強く求めていく姿勢を示した。

 【開放型の教員養成】 教育学部卒業と同時に教員免許を取得する計画養成と異なり、
国の課程認定を受けた一般学部で、希望する学生だけが必要単位を満たして教員になる仕
組み。文部科学省の意向を受けた教員養成課程の再編・統合で、「担当校」を断念した大
学で主流になりつつある。先進事例として注目される神戸大は、発達科学部・人間発達科
学科(入学定員120人)の初等教育学コースで、小学校教員を養成している。