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朝日新聞ニュース速報
「創造的な仕事はイマイチ君」企業の東大生評価調査
東京大学の卒業生は社会に役立っているのか――。そんな検証を東大が自ら始
めた。学部卒業生を多く受け入れている企業に卒業生の評価をアンケートした。
回答のあった22社の評価は「よくがんばるが、創造的な仕事はいま一つ」と
出た。
00、01の両年度、学部卒業生を多く受け入れた民間企業上位42社を対象
にした。人事担当者あてにアンケートを送付。22社から昨年末までに回答を
得た。内訳は、電機メーカー5、銀行4、監査法人、証券、新聞が各2などだ
った。
アンケートでは、「卒業生なら備えているはず」と東大が期待する6項目の特
徴を示し、他大学と比べて、「あてはまる」から「(むしろ反対の特徴が)あ
てはまる」まで5段階で評価を求めた。対象にしたのは入社5年から10年の
卒業生。
最も評価が高かったのは、「自分で努力する」という質問。「あてはまる」
「ややあてはまる」の合計が69%。反対に、「創造的な仕事に成功する」と
いう質問に、「あてはまる」と答えた企業はなかった。
自由記述で、大学教育の改善点も聞いた。
東大が目標に掲げる指導的人材では、「リーダーとしての能力を発揮している
例は必ずしも多くない。協調した作業が得手でない方も何人かいる」(監査法
人)。
「見通しが立つ、解けそうなテーマには挑戦するが、そうでない、リスクの大
きいものは敬遠しがち」(都市銀行)、「ともすれば評論家的で主体者意識が
低いケースが見受けられる」(同)などという意見もあった。
データは教養学部の授業内容を改善するための参考にする。調査をまとめた山
本泰教授(社会学)は「企業に入っても優等生のようだ。幅広い教養を身につ
けさせるという方針に間違いはなかったが、指導力や問題解決能力の育成では、
工夫しなければならない点が多い」と話す。
今後は、企業の人事担当者から直接話を聞いたり、官公庁にも調査を広げたり
するという。
[2003-01-04-23:17]
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