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独行法反対首都圏ネットワーク

☆宮城県・東北大 新産業創出へ連携
 .[he-forum 4920] 河北新報12/31
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『河北新報』2002年12月31日付

宮城県・東北大 新産業創出へ連携


 新産業の創出と地域の競争力を高めようと、宮城県は、東北大と連携して新
協議機関「産学官連携ラウンドテーブル」(仮称)を発足させる方針を固め、
同大と最終調整に入った。2003年度中の発足を予定、仙台市、東北経済連
合会にも参加を呼び掛ける。東北大は04年度の国立大法人化を控え地域連携
が不可欠だと判断しており、特定自治体との間では初めてとなる戦略的協議機
関の設置に踏み出す見通しだ。

 情報技術(IT)関連産業を中心にした企業の海外移転が進む中、県は新た
な産業戦略として、新素材、環境などの新産業分野の企業誘致と、ベンチャー
企業の育成を重視。東北大の工学部、未来科学技術共同研究センター(NIC
He)の研究力をてこに、安定産業を地域に根付かせたい考えだ。

 ラウンドテーブルでは、産業創出に欠かせないインキュベーション(ふ化器)
機能の向上策を検討する。

 当面は、東北大が行政側のどんな支援策を必要としているか―について協議。
県と仙台市との役割分担なども話し合う。研究テーマごとにワーキンググルー
プを設置し、研究者と行政側の実務者が連携して企業誘致なども図っていく。

 ラウンドテーブルの設立は、県から働き掛けた。メンバーは産業経済担当の
松木伸一郎副知事、東北大側は研究担当の中塚勝人副学長でほぼ調整が終了。
仙台市には助役か経済局長の参加を打診している。東北インテリジェント・コ
スモス推進協議会会長の西澤潤一岩手県立大学長や、東北経済連合会幹部にも
今後、参加を要請するという。

 東北大は98年に設立したNICHeに国立大としては初めて、研究開発を
企業に橋渡しするリエゾン(仲介)機能を備えた。さらに技術移転機関(TL
O)も設立し、企業との連携を推し進めている。

 ただ、研究成果を産業化する過程では(1)開発研究(2)試作研究(3)
量産試作―といった段階的な研究を行う施設が必要で、「いずれかの段階で、
共同研究相手の企業がほとんど県外に持ち出してしまう」(宮城県産業経済部)
のが現状だ。

 県は、企業が技術を産業化させるまで支援するインキュベーション機能を充
実させるとともに、企業への補助制度も拡大させて、企業が県内に立地するこ
との優位性をアピールしていく。