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『読売新聞』中部版 2003年1月3日付
三重大と和歌山大 全学連携へ
◆共同研究や単位互換 紀伊半島振興も協力
◆2004年度スタートめざし、月内にも学長対話
三重大(津市)と和歌山大(和歌山市)が、全学レベルでの連携に向け、今
月中にも協議を始める。両国立大は昨年三月から教育学部をどちらかの大学に
統合する協議を重ねているが、一部の統合に限定せず、全学的な連携に発展さ
せる考え。共同研究や単位互換などを進め、教育、研究面で互いに補完し合う
ほか、高等教育機関のない紀伊半島南部の教育、経済、産業支援でも協力して
いく方針。
全学連携は昨年十二月、教育学部統合の協議の中で、和歌山大側から提案さ
れた。「どちらが教員養成の主担当校になるにしろ、大学全体の協力体制があっ
た方がよい」という理由で、三重大でも全学改革会議で報告された。教育学部
の統合計画は全国の国立大学で進められているが、統合を支援する形での全学
連携は初のケースになる。
三重大は五学部(人文、教育、医、工、生物資源)、和歌山大は三学部(経
済、教育、システム工学)の構成で、教育学部以外は競合しない。このため、
連携により両大学が得意な専門分野を生かした共同研究が期待できるという。
今月中にも両大学長が基本線を話しあい、専門分野ごとに具体的な連携内容
を詰める。共同研究や単位互換のほか、例えば、和歌山大のシステム工学部の
学生が三重大の生物資源学部で学ぶなど、両大学の学士入学枠に双方からの優
先枠を設けることなども検討されると見られる。連携事業は、二〇〇四年度を
めどにスタートする見通し。
両大は紀伊半島南部の文化振興や活性化を支援する取り組みでも共通する。
三重大は昨年十二月、三重県尾鷲市との間で、産業振興や生涯学習、歴史的文
化遺産の調査研究などで協力する相互友好協力協定を結び、同市にサテライト
教室を設ける。一方の和歌山大も和歌山県田辺市にサテライト教室開設の準備
をしており、地域振興でも協力し、弾みを付けたい考えだ。
矢谷隆一・三重大学長の話「大学同士の連携は全国的な流れであり、実りあ
るものにするためにも今後、学内論議を尽くしたい」
小田章・和歌山大学長の話「連携でお互いに不足している部分をカバーし合
える。紀伊半島振興にも大きな役割が期待できる」 |