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読売新聞ニュース速報
沖縄大学院大学、立地・学長選考が大詰め
政府が設立を目指す沖縄大学院大学の立地選考が大詰めを迎えている。来年1
月下旬に内閣府の沖縄新大学院大学構想検討会(座長=有馬朗人・元文相)の
委員らが3候補地を視察し、2月にも決定する予定だ。3か所とも一長一短が
あり、選考する委員を悩ませそうだ。
■候補地は一長一短■
絞り込まれた候補地は、糸満市の喜屋武(きゃん)地区、恩納村(おんなそん)
の谷茶(たんちゃ)・南恩納(みなみおんな)地区、北中城村(きたなかぐす
くそん)のアワセゴルフ場跡地の3か所。県の候補地推薦検討会が名乗り出た
13か所から選んだ。
長所に交通の便の良さを挙げるのは糸満市。那覇空港まで片道30分で、同市
誘致推進室は「地形が平たんで、造成がほとんど不要なのも有利」と話す。
恩納村は「うちは土地が広く、取得額が安い」(村設置推進室)と胸を張る。
敷地の9割弱が村有地で、村は大学側に土地の無償貸与を決めている。このた
め、用地取得額は他の候補地の22―32%で済む見通しだ。
北中城村は「敷地が、米軍将校が住むキャンプ瑞慶覧(ずけらん)に接してい
たため、教会など施設が整っており、海外から赴任される先生方が生活しやす
い」(村設置推進室)と、住環境の良さを挙げる。
ただ、それぞれ短所も抱えている。
糸満市は公有地が3%しかなく、地権者数が多いのが難点。恩納村は飛び地で
森林が多く、造成で自然環境が損なわれる恐れがある。北中城村は面積が狭く、
周辺地買収費が懸念されている。
■学長選びも悩み■
学長予定者の選考も1月から本格化する。1月11、12日に米サンフランシ
スコで行われる国際顧問会議で、世界のノーベル賞級学者27人の委員が推し
た予定者から絞り込む。現段階では約40人の名が挙がっており、絞り込み作
業の末、本人の承諾が得られれば決定する運びだ。
内閣府の宮崎尚・事業振興室長は「大学の性格は学長予定者の意向を十分反映
させることになっており、学長予定者が決まらないと具体的な準備が進まない」
と話す。しかし、外国への交通の便が良くない沖縄が「海外の研究者らに魅力
的な職場と映るかどうか疑問」との声も強く、選考作業は難航が予想される。
◆沖縄大学院大学 政府が2007年9月の開学を目指している自然科学系大
学院大学。構想では、<1>生物、物理、化学、数学など多様な学問を融合し、
「生命システム」の解明を図ることを講座の中心に据える<2>学長は外国か
ら迎え入れ、教授陣、学生の半数以上を外国から受け入れる――ことを掲げて
いる。
[2002-12-28-20:40]
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