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『北日本新聞』2002年12月25日付
北陸7国立大が大学連合の協定締結 教育、研究活性化へ
北陸3県の7国立大が県境を越え、幅広く連携を深めることで合意し24日、
「北陸地区国立大連合」の協定を結んだ。学生の単位互換や教官同士での共同
研究を進め、教育・研究を活性化する。本年度中に各大学の副学長による協議
会を立ち上げ、具体的な連携の計画を決める。
県内の富山大、富山医薬大、高岡短大と、金沢大、北陸先端科学技術大学院
大、福井大、福井医科大は昨年9月から「北陸地区国立大学長懇談会」を開き、
再編統合問題を含めた大学改革で情報交換してきた。今年10月にあった懇談会
で連合発足を学長レベルで合意し、各大学に諮っていた。平成16年4月からは
国立大が法人化される。各大学で再編統合の検討が加速する中、歴史的、地理
的につながりが深い北陸地区の大学が連携し、スケールメリットを生かして活
性化させる。
金沢大で調印式があり、滝沢弘富山大学長、高久晃富山医薬大学長、病気療
養中の蝋山昌一高岡短大学長代理の水島和夫副学長がら各大学長が協定書に調
印した。
国立大の連携は、東京都内の東京工業大、一橋大、東京医科歯科大、東京外
国語大の4大学が、学生が共通に履修できるコースを設けるなどの取り組みを
している。
県内3大学、「再編統合とは別の次元」
県内の富山大、富山医薬大、高岡短大は連合の効果に期待を寄せる一方、平
成16年の実現を目指す再編統合とは「別の次元」ととらえている。
県内のほか、福井県内でも福井大、福井医科大が15年度に統合する予定。同
連合はこうした動きに「柔軟に対応」するが、少子化による教育学部の再編問
題や大学間の統合を円滑に進めるのが目的ではないという。
連合では今後、教育学系で教員養成や現職教員の再教育、医薬学系では高度
先端医療の取り組みのほか、教養教育の充実などが期待できる。専門職大学院
の設置を分担し、図書館や情報処理センターなどをネットワーク化し、情報や
機器の共同利用も可能だ。
滝沢弘富山大学長は「北陸は高等教育機関が密集し、教育、研究面でプラス
だ」と言い、高久晃富山医薬大学長は「医学系の学部は3つあり、薬剤の臨床
試験などで便利」と期待する。水島和夫高岡短大副学長は「連合は、一つの大 学になることとは別だ」と話した。 |