トップへ戻る   東職HPへ戻る
独行法反対首都圏ネットワーク

☆国の研究資金、「年功序列」で配分 特定研究者に集中も
 . [he-forum 4890] 12/22朝日新聞
--------------------------------------------------------------



asahi.comニュース 12/22【科学・自然ニュース】

国の研究資金、「年功序列」で配分 特定研究者に集中も

 科学技術分野を中心に若手研究者の優れた創造的研究を支援しようと、拡充が進む国の
「公募型研究資金」が、実際には「年功序列」的に採択され続けていることが、総合科学
技術会議(議長・小泉首相)の調査で明らかになった。学会のボス的研究者に資金が集中
している実態も浮き彫りになり、「ノーベル賞級の業績は30代に出る。こうした若手に
資金が回っていない」と同会議は批判している。

 公募型の研究資金は「競争的資金」と呼ばれ、01年度で3265億円。半分の予算規
模をもつ文部科学省の科学研究費補助金(科研費)を筆頭に7省で27制度(当時)あり
、全体像がはっきりしなかった。

 同会議が今年度稼働した「政府研究開発データベース」で、登録された約4万件のテー
マ、18万7000人の研究者名を基に、研究代表者の年代別に配分状況を調べたところ
、資金の半分以上が50歳以上の研究者を代表に据えたものに配分されていた。平均配分
額も、代表者が30〜34歳だと203万円だが、55〜59歳だと721万円と、きれ
いに「年功序列」的だった。

 1人の研究者が複数のテーマで資金を得ている実態を「名寄せ」したところ、特定研究
者への集中もわかった。採択件数が多い上位20人は8〜13件も重複し、全体での1件
当たりの平均配分額は480万円なのに、8件で計3億6000万円を得た研究者や、1
0件で計2億5000万円を得た研究者もいた。医学を含むバイオサイエンス分野の突出
が目立ち、この20人では15人が50歳以上だった。

 重複は、文科省の科研費と厚生労働省の厚生労働科学研究費補助金との間で目立った。
科研費の場合、重複申請には制限条項があるため、同会議事務局は違反がないかどうか、
文科省に調査を依頼している。

 研究費の配分は、その時点での有望分野の第一人者に集中しているなどの指摘がでてお
り、それを裏付けた形だ。第2次科学技術基本計画では05年度に競争的資金を6000
億円にするのが目標。同会議は今回の調査を基に競争的資金制度の改善策をまとめていく
方針だ。

(12/22R5:57)