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<国家公務員>幹部退職金、最大1割減 官民格差解消へ
毎日新聞ニュース速報
民間より高い国家公務員の退職金の「官民格差」解消などに向けて政府が検討
してきた「退職手当の改定方針」の全容が16日、明らかになった。早期勧奨
退職の優遇措置見直しなどにより、退職金の支給水準を事務次官、外局の長官
クラスで最大約1割削減するほか、特殊法人の役員などに天下りした後に国に
復帰する場合、退職金を1回だけ支給する「役員出向制度」を導入するのが柱。
これらを盛り込んだ国家公務員退職手当法改正案を来年の通常国会に提出、支
給水準については来年10月から実施する。
片山虎之助総務相が17日の閣議で報告する。また同日の閣僚懇談会では、0
3年度から5年間にわたって段階的に幹部職員の勧奨退職年齢を引き上げ、0
8年度には現在の54歳から平均3歳以上高くする「早期退職慣行の是正」を
申し合わせる。
総務省によると、国家公務員の退職金は民間に比べて5・6%高い。この格差
解消のため、官民是正のための調整率を100分の110から100分の6ポ
イント引き下げる。最初の1年は経過措置として100分の3ポイント減とす
る。
また、定年を待たずに退職した場合、定年までの残り年数1年につき2%(最
大20%)を割り増す早期退職特例措置も見直し、事務次官・外局長官クラス
は撤廃、局長クラスは年1%に半減する。検察官や裁判官も同様の措置を行う。
これにより、人事院勧告による給与減額を加えると、改定方針が完全実施され
る04年10月には退職金が約1割削減される。事務次官(62歳定年)が5
9歳で退職した場合、退職金は現行の8946万円から7807万円(12・
7%減)となる。
また、「天下り」を繰り返すたびに退職金を受け取る慣習も見直す。国への復
帰を前提に退職し、特殊法人などの役員に天下りした場合は、天下り先では退
職金を支給せず、復帰後に退職する際、1回だけ支払うことにする。 【中田
卓二】
■公務員退職改革案要旨
16日明らかになった政府の「国家公務員の退職手当の改定方針」と「早期退
職慣行の是正」についての閣僚懇談会申し合わせ案要旨は次の通り。
<国家公務員の退職手当の改定方針>
1 官民均衡を図るため設けられている調整率を100分の6ポイント引き下
げる。03年10月1日から実施。当初1年間は100分の3ポイントの引き
下げとする経過措置を設ける。
2 これに併せ、(1)早期退職特例措置について、指定職9号俸相当(外局
長官クラス)以上の者を対象外とし、同7号俸相当(局長クラス)以上の者の
1年当たりの割増率を2%から1%に半減(2)国への復帰を前提に退職し、
特殊法人、独立行政法人等の役員に就任した者について、法人では退職金は支
給せず、国への復帰後の退職時に退職手当を1回限り支給。改正法成立後速や
かに実施。
3 次期通常国会に所要の改正法案を提出。
<早期退職慣行の是正>
1 各府省の1種およびこれに相当する幹部職員の勧奨退職年齢を、03〜0
7年度の5年間にかけて段階的に引き上げる。08年度には原則として現状と
比べて平均の勧奨退職年齢を3歳以上高くすることを目標とする。
2 能力主義の徹底により年次主義やピラミッド型人事構成の見直しを進め、
行政の複雑多様化・高度化・スリム化に対応する。複線型人事管理、職務経験
の多様化等を推進し、行政組織の肥大化や総人件費の増大を招かないようにす
る。このような人事管理に資する制度面・運用面での諸方策を検討し、03年
度以降、可能なものから速やかに実施する。
3 各府省は、それぞれの実情に合わせて、可能な限り勧奨退職年齢の段階的
・計画的な引き上げに努める。内閣官房、総務省は推進状況のフォローアップ
を行う。
[2002-12-17-03:07]
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