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朝日新聞ニュース速報
弘前大医学部が「医局制度」廃止発表 不透明指摘に応え
弘前大医学部は17日、教授を頂点とした「医局制度」を今年度中に廃止する
と発表した。同大学の医局では、民間への医師派遣のやり方や医局単位で受け
取る寄付金の扱いの不透明さが指摘されていた。医局制度は他大学でも「徒弟
制度」など批判が強く、全面廃止は大学医学部のあり方に一石を投じそうだ。
医局は教授を中心に大学の臨床系の講座と一般向けの診療科が一体となった組
織。同大学には外科や内科など20の医局があり、1医局は20人から70人。
教授、助教授、講師、大学所属の医師(医員)、大学院生、留学生らで構成さ
れている。
大学の説明によると、今年度中に全医局を廃止。民間病院などから大学への医
師派遣要請はこれまで医局ごとに教授が受け付けていたが、今後は窓口を医学
部長に一本化し、派遣の判断は学内の「地域医療対策委員会」がする。さらに
委員会の判断が妥当かどうかを検討する部外者による評価機構を設けるという。
医局のかわりに20の講座・部門運営会議を設置。構成員は教官と医員のみと
し、これまで医局員だった外部の勤務医や研修医らは含まない。学部側は会議
について「公私のあいまいな医局体質を排除した、教育、研究及び診療を効率
的に行うための準公的な組織」と話している。寄付金についてはマニュアルを
作って使途を明確にする。
菅原和夫医学部長は「民間病院や過疎地からの要請にこたえて医師を派遣する
など地域医療への医局の貢献は大きかったが、人事や会計面で疑惑を招く面も
あった。医局の教授と病院とのつながりを断ち、新しい医師派遣のシステムを
作ることにした」と述べた。
同大学では、医局が受け取った寄付金が国庫に納付されずに飲食費として使わ
れていたケースが発覚、制度の透明化を求める声が出ていた。
[2002-12-17-21:05]
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