独行法反対首都圏ネットワーク |
『上毛新聞』2002年11月29日付 教官有志が反対声明 群馬大と埼玉大の統合をめぐり、群馬大教育学部のさいたま市への移転案が 打ち出されている問題で、同学部の有志教官が二十八日、群馬に教育学部と大 学院教育学研究科の拠点を残すことを求める声明を出した。声明は、同学部の 移転に反対し、署名運動を実施している市民団体「群馬に教育学部を残す会」 (代表・坂西輝雄元県教育長、二十五団体)の動きなどを受け、今月中旬ごろ から同学部の中野尚彦教授が中心となって作成。同日までに、賛同者が同学部 教官百三人の半数を超え、さらに増える状況にある。 声明の内容は、同学部教授会が十月二日の臨時会で決定した大学当局への要 請を踏まえたもの。「群馬県内に教員養成と現職教員再教育のキャンパスを残 すことが必要」「新教育学部の教育拠点として、荒牧キャンパスを放棄するこ とを認めてはいない」などの主張を明示。赤岩英夫群馬大学長の新学部構想を 「不明瞭」とした。 中野教授は「声明は教授会決定を超えるものではないが、外側からの運動の 盛り上がりを受け、われわれの態度をはっきりと示す必要を感じた」と話す。 十月二日の同学部教授会決定は、「地元関係者の不安の高まりを考慮すべき」 などの条件付きで「教育学部のキャンパス問題は学長懇談会の裁定に委ねる」 との趣旨だった。しかし、教授会が教育学部の埼玉大・大久保キャンパスへの 移転を容認したとする見解があり、一部で教授会への批判も出ていた。 森部英生教育学部長は「『残す会』の動きによって、赤岩学長の考え方が柔 軟的になった部分はある。声明にはまだ目を通していないが、自分の考えに一 致するものなら、個人としては肯定的にとらえたい」と話している。 |