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独行法反対首都圏ネットワーク

☆独立行政法人>役員数、国から分離前の3倍に 半数は天下り
 . [he-forum 4766] 毎日新聞11/24 
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『毎日新聞』2002年11月24日付

独立行政法人>役員数、国から分離前の3倍に 半数は天下り


 国の機関から分離して発足した59の独立行政法人の役員数が、分離前の役
員相当職に比べ最終的に3倍に膨らんでいることが23日、分かった。役員の
半数を監督官庁など官僚OBが占め、常勤役員に限れば占有率は9割を超える。
独立行政法人に対しては、監督官庁の評価委員会が3〜5年ごとに業務内容を
チェックするが、有力な天下り先となったことで「身内」に甘い検査となる懸
念も強まった。

 独立行政法人は中央省庁をスリム化し、効率的な民間的経営を目指すために
計画された。01年4月に57法人が発足し、その後2法人が加わった。形の
上では国から離れたものの、02年度は国から総額3450億円の運営費を交
付されている。

 毎日新聞は59法人について、分離する前の旧組織で幹部だった国家公務員
指定職(審議官以上)と独立行政法人の役員数を比較した。指定職と独立法人
役員の報酬はほぼ均衡している。

 それによると役員数は理事長59人、理事111人、監事116人の計28
6人。これに対して分離前の指定職数は93人で、一気に193人が増えた形
だ。

 14法人は、もともと指定職ゼロの組織が独法化されたもので、国土交通省
所管の「自動車検査独立行政法人」が6人の役員体制となったのを筆頭に、
「日本貿易保険」「駐留軍等労働者労務管理機構」など5法人が5人、残る8
法人が4人の役員組織に生まれ変わった。

 農水省所管の「農業技術研究機構」は畜産試験場や果樹試験場など11の試
験場・センターが統合して発足したが、役員は旧組織の指定職数と同じ11人。
各試験場長をそのまま理事などにしたケースが目立つ。逆に役員数が減ったの
は59法人のうち「産業技術総合研究所」の1件。工業技術院など17組織が
統合され22人から14人の役員となった。 省庁からの天下りは旧組織の幹
部がそのまま横滑りしたものと、新たに就任したケースがある。

 毎日新聞が各法人へ聞き取りした結果と、独自に調査した上田清司衆院議員
(民主)のデータを総合すると、現在の役員286人のうち少なくとも157
人は省庁の出身者が占め、そのほとんどが常勤。常勤役員168人に限れば省
庁OBの比率は9割以上となる。

 旧組織のトップが理事長などに横滑りしたケースには▽大学入試センター▽
国語研究所▽航空宇宙技術研究所▽種苗管理センター▽建築研究所――などが
ある。

 政府は今後、第2弾として特殊法人や認可法人計42法人を38の独立法人
とする方針で、関係法案が国会で審議中。さらに国立大や国立病院も独法化の
対象となっている。 【宮澤勲】

 ●独立行政法人の役員増の例●

旧組織   指定職数 独立法人 役員数

自動車検査業務 0 自動車検査   6

家畜改良センター1 家畜改良センター6

通信総合研究所 2 通信総合研究所 6

金属材料技研など3 物質材料研究機構6

国立青年の家  0 国立青年の家  5

貿易保険業務  0 日本貿易保険  5

国立環境研究所 2 国立環境研究所 5

教職員研修業務 0 教員研修センター4

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計 86事業   93   59法人    286