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科学研究予算、一線研究者が選択 官僚主導型を転換へ 朝日新聞ニュース速報 政府の総合科学技術会議(議長・小泉首相)は、公募型の科学技術研究費の採択や分 配を一線の研究者が専任で担当するプログラムオフィサー(PO)制度を03年度から 導入することを決めた。官僚主導型の従来方式では、専門知識に限界があると判断し、 米英型に転換する。すでに、7省がPOら65人の制度化を概算要求している。 公募型の科学技術研究費は、7省に24制度があり、今年度で計3443億円。半額 を占める文部科学省の科学研究費補助金(科研費)が代表的だ。POは、研究者が応募 してきた研究テーマを調査、評価して採択の可否を決める。 これまでは、大学教官や研究機関の研究者らに評価員を委嘱。その評価を参考に各省 の担当課や関係特殊法人が決めていた。有名学者に資金が集まる▽申請数の多い分野が 選ばれやすい▽10年、20年先をにらんだ先駆的な研究が認められない▽不採択理由 が開示されず透明性に欠ける、などの批判が出ていた。 「50年でノーベル賞30人」との目標を掲げる総合科学技術会議は、一線級の成果 を持つ研究者からPOを選出、各省や関係法人に配置し、当初の評価が低いテーマでも 将来の発展が見込める場合には逆転で採択できる権限を持たせる。不採択の理由を開示 して責任も明確にする。 7省が予算要求中のPOの人数は文科省53人、農林水産省と総務省が各2人、厚生 労働省、経済産業省、国土交通省、環境省が各1人。新制度を統括する専任プログラム ディレクターも設けられる予定で、文科省が3人、農水省が1人を要求している。 米国では、科学技術予算の分配を担当する全米科学財団(NSF)が約400人、医 学研究を主導する米国立保健研究所(NIH)が約1100人のPOを抱える。英国の 生物科学研究会議と医学研究会議も同様の制度を持っている。 [2002-11-18-03:04] |