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制度形がい化の懸念も 2本立ての法曹養成 共同通信ニュース速報 十二日衆院を通過した司法制度改革関連三法案は、法曹養成の中 核的教育機関として法科大学院(ロースクール)制度の導入を盛り 込んでいるが、法科大学院修了者以外にも司法試験の受験に道を開 いた「予備試験」制度についての位置付けがあいまいで、法科大学 院制度を形がい化しかねないと懸念する意見も出ている。 法科大学院制度は、「受験技術の修得に偏重した人材を生んでい る」との批判が強い従来の司法試験制度を見直すため、法曹人口の 大幅増と質の向上の双方を実現するための基盤整備として立案。し かし法科大学院制度と予備試験制度の二本立てにしたことに対し、 衆院法務委員会の審議では野党を中心に「予備試験のための予備校 がはびこり、現状と変わらなくなる恐れがある」などの批判が相次 いだ。 法科大学院で学ばない予備試験組から多くの司法試験合格者が出 れば、法科大学院制度の本来の趣旨を損ないかねないとの懸念から だ。これを踏まえ衆院法務委は、この日の採決で「制度の理念を損 ねないよう予備試験の運用に努める」などとする付帯決議を可決し た。 法科大学院の教育水準を定期的に評価する第三者機関についても @実施機関の財政基盤に官民で格差があり公平さを欠くA評価基準 は各機関の判断に委ねらればらつきが出る恐れがある―などの指摘 が出た。 これに対し政府側は「国として財政措置もするが、第一義的には 各機関の自主努力」「評価はそれぞれの独自工夫」との答弁にとど まっている。 このほか法科大学院の設置を予定する大学数や学生数、全国的な 適正配置の確保などについて明確な見通しはなく、司法試験志望者 にとって現時点での情報不足の面も否めない。 法科大学院に教官を派遣する最高裁、日弁連、法務省など関係機 関が「質の高い教育」を目指し教育プログラムの検討に乗り出して いるが、制度の実効性を担保する方策は、多くが今後の検討課題と なっているのが現状だ。 (了) [2002-11-12-20:57] |