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独行法反対首都圏ネットワーク

☆群馬大統合問題 県が「裁定」に待った
 [he-forum 4675] 上毛新聞11/06 
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『上毛新聞』2002年11月6日付

群馬大統合問題 県が「裁定」に待った


 群馬大(赤岩英夫学長)と埼玉大(兵藤学長)の統合問題で、群馬大は五日、
「七日に開催を予定していた両大学長らによる学長懇談会を取りやめ、延期す
る」と発表した。両大学の統合をめぐっては、群馬大教育学部の埼玉移転への
反対運動が強まっており、県と県教委が一日、群馬大側に慎重な対応を強く要
請。群馬大はこうした動向を踏まえ、学内で検討した結果、埼玉大側に延期を
申し入れた。今後の学長懇の日程は未定。群馬大は引き続き、関係者に理解を
求めていく方針でいる。

 学長懇では、統合後は教育学部を埼玉大・大久保キャンパスに設置し、群馬
大荒牧キャンパスには文理融合型の新学部(仮称・総合科学部)を設けること
などを盛り込んだ裁定が行われる見通しだった。

 これまで赤岩学長は、十一月二十二日に小寺弘之知事、同二十九日に高井健
二県教育長と会談。教育学部の埼玉移転について理解を求めた上で、統合後の
新学部における教員養成などについて、県側と連絡を密接にしながら検討する
考えを表明していた。

 しかし、県と県教委への説明から間もない段階で、学長懇が開かれることが
決定。県と県教委は同大教育学部の移転に反対する声が強まる中での学長懇開
催を疑問視し、県企画部と県教委の管理部、学校教育部の三部長が一日、群馬
大を訪れ、同学部の移転について慎重に対応するよう、あらためて要請した。

 群馬大はこうした県側の要請を受け、赤岩学長ら幹部で検討し、四日に埼玉
大側に学長懇の延期を申し入れ、埼玉大はこれを了承した。

 統合問題について、小寺知事は五日の定例会見で、「群馬大と埼玉大との統
合について、話をうかがったばかりなのに、急に学長懇談会が開かれると知り、
急いでいるようなので、(慎重に対応するよう)県の意見を伝えた」と要請の
経緯を説明。「県内でも群馬大の改革の方向について、いろんな考えや意見を
持っている人がいるようなので、意見交換しないとまずいのでは、と感じてい
る」と、見解を述べた。

◎残す会 きょう文科省に陳情

 群馬大と埼玉大の統合問題をめぐり、群馬大教育学部の埼玉移転に反対する
「群馬に教育学部を残す会」(代表・坂西輝雄元県教育長)は六日上京し、文
部科学省と本県選出国会議員に対し、同学部を本県に残すための要請を行う。

 要請には、坂西代表をはじめ、松島弥太郎元群馬大教育学部長、山川武正元
県教育長、後藤守吉県子ども会育成団体連絡協議会長ら賛同二十四団体の代表
十五人が参加し、本県における教育学部の必要性を訴える。

 また、同会が集めている移転反対の署名が、五日までに約十万一千人に上る
ことが分かった。同会は反響が大きいことを踏まえ、引き続き署名運動を行う
方針を決定。十一月下旬ごろ、小寺弘之知事に署名簿を提出し、再度要請する。