各地区学長会議検討結果報告
                              関東甲信越  地区

検 討 事 項

検  討  結  果


1−(1)法人化後の国立大学事務職員人事の在り方について

 

@ 事務系職員の人事交流を円滑に行うためには,採用基準,給 与水準,その他の事務系職員関係規則の平準化が望ましい。

A 特定幹部職員については,学長のリーダーシップの下で,当 分の間大学間異動を行う必要があるが,併せて一定比率の内部 登用を可能にして行くことも必要になる。
 


1−(2)一般事務系職員の採用の在り方について


 

@ 現行の国家公務員採用試験に代わる全国共通採用筆記試験を 行い,その合格者の中から採用決定をすることが望ましい。

A 特殊な資格や能力を必要とし,民間等から中途採用すること が適当であると認められる職種については,各国立大学法人ご とに選考できることとする。
 


1−(3)共通採用筆記試験を導入する場合の実施形態、実施主体についての考え方







 

@ 全国共通採用筆記試験を第1次試験とし,その合格者を対象 に各国立大学法人が行う面接等を第2次試験と位置付け,法人 ごとに採用候補者を決定することとしたい。この場合において, 地域ブロック等の複数の法人が予め公表したうえで募集を行っ たときは,共同第2次試験とすることも可能とする。

A 全国共通採用筆記試験の実施主体は,新しい連合組織又は新 しい連合組織の下部組織とすることが望ましい。

B 地域ブロック単位での実施を基本とし,大学単独で実施する ことも考えられる。

C 試験問題作成,採点は,外注とすることも検討してほしい。
 


2.国立大学法人の経営責任と新しい連合組織の担うべき役割の範囲について






















 

@ 経営責任は各国立大学法人が負うことになるが,全国立大学 法人共通の業務のうち,全国規模の展開又はより大きな母体が 望まれる次のような業務については,新しい連合組織で行って いただきたい。
 
(1) 全国共通採用筆記試験の実施
 
(2) 退職手当準備金の管理運用
 
(3) 事務系職員の人事交流支援業務
 (4) 事務系職員の資質向上のための合同研修

A 就業規則は各国立大学法人が決定することになるが,円滑な 人事交流等に支障を来たすことのないよう,次のような情報を 収集・提供を新しい連合組織で行っていただきたい。
 
(1) 労務管理に関する情報
 
(2) 給与水準に関する情報

B 各国立大学法人が主体的に実施すべきことについては,新し い連合組織の業務とすることは避けるべきであるが,各国立大 学法人の自律性を損なわないことを前提に,共同して行うこと が効果的・効率的と考えられる次の業務は,新しい連合組織の 機能として位置付けていただきたい。
 
(1) 国立大学振興や教育研究活動向上のための政府関係機関等  への提言
 (2) 国際交流事業等に関する連絡調整
 (3) 国立大学全体について社会に対する説明責任
 
(4)大学を支える組織としての意識改革
 (5)法人化への移行過程の対応
 (6)新しい連合組織から機能分離した学長会の設立
 


3.法制化作業において国大協として重大な関心を持つべき重要事項について







































































































































 

T 「国立大学の法人化に関する法制的検討上の重要論点(案)」 おいて記述されている諸点のうち,次の点については特に 強調して要望いただきたい。

 2〔学校教育法上の設置者を国とする枠組みの堅持〕について
   国立大学に期待され,今後とも担っていくべき使命や機能  に鑑み,
 ・国立大学は,国が責任を持つべき大学であること。
 ・独立行政法人通則法上の独立行政法人に対する国の財源措置  に関する規定は国に対する義務規定となっておらず,当該規  定のみによっては国立大学法人が必要とする国の財源措置が  必ずしも担保されないこと。
   このことからも,2については強く求めるべきである。

 4〔学内の執行機関や審議機関についての適切な規定の整備〕  について
   
現在の国立大学法制と法人化の趣旨とを踏まえることが必  要ではあるが,特に大学改革の一環としての法人化という視  点を忘れず,大学独自の工夫や方針を活かした柔軟な制度設  計ができるだけ可能となるよう,全学的な見地から考え決定  する学長の強いリーダーシップと経営手腕を発揮できるよう  に規定を整備する必要がある。(役員,役員会,運営協議会,  評議会などの位置付け,構成,役割分担等については,基本
  的な規定のみとすべき。)

 ◎ 現行教育公務員特例法について
   現行の教育公務員特例法の各規定については,現行教育公  務員特例法が制定された趣旨を尊重しつつも,国立大学法人  の法制化に際しては,各大学の特色・工夫を活かした独自の  制度設計や柔軟な運用が可能となるよう,個々の規定の要・  不要を精査することを求めるべきである。特に,法人化後に  国立大学法人としての運営を成功させるためには,学長が全  学的見地に立ってリーダーシップと経営手腕を発揮する必要  があることに十分留意し,教育公務員特例法上に規定されて  いる各事項について国立大学法人法に規定する場合には,基  本的な規定のみとすべきである。


U 「国立大学の法人化に関する法制的検討上の重要論点(案)」 に関連して,以下の事項についても注視願います。

@法制化の基本方針
 〇国立大学の運営や国と国立大学との関係に関する規定につい  ては,広く世界の先進諸国における経験・実績等にも,比較  制度論的観点を配慮して,大学における教育研究の特性やそ  の自主性を尊重する観点を踏まえ整備すること。
 〇法律事項と大学の裁量に委ねられる事項の区分の明確化が法  人化作業における早急かつ重要課題。
 〇教育研究の高度化,個性豊かな大学づくり,大学運営の活性  化など法人化後の大学において真の大学改革が可能となるよ  うな法整備。
 〇個性ある大学を育成するために,個々の大学が多様な組織形  態を維持し得るような配慮こそ最も肝要。
 〇参考論点等にまとめられた点は重要なことであり,個々の事  項について国大協として内容を具体的に整理し,要求すると  ともに社会に対するアピールが必要。
 〇関係法令の整備過程における国大協からの事前提案とチェッ  クの実施。
 〇簡素化,省力化に結びつく規制緩和。

A国による財政措置の法的保障装置
 〇基盤とする所要の経費(標準運営費交付金)の財政措置につい  ては,法文上明記すべきであるとともに,教職員の現行定員  を基準に算定。
 〇法人化後の大学運営が円滑にでき得る運営費交付金の十分な  額の配分「移行前の国庫支出の水準維持」は必要不可欠。
 〇運営費交付金の算定・配分の基準,方法や平成16年度(法人  化初年度)に向けての概算要求の方法,仕組みの早期明示。
 〇寄附金の全学損金扱いによる税制上の特別措置。
 〇人事交流に伴う退職手当の通算について,できる限り幅広い  適用。
 
B教育研究の質的向上を可能にする前提 
 〇評価の多面性や組織編成の柔軟性など,大学運営の多様性に  配慮。
 〇評価のための大学運営とならないような評価・改善システム  の構築。
 〇理系大学院生の実験経費を教育経費として十分算定に反映。

C大学の自主・自律的な運営の制度的保障
 〇実質的な国の関与を極力抑制するような法的保障の確保。
 〇大学の自主性・自律性を確保しつつ,文部科学省との適切な  関係を保持。
 〇国立大学の多様な在り方を重視し,くれぐれも全国画一的制  度化に陥らぬよう,大学の個性を活かした組織化を可能とす  る制度設計。
 〇大学における学問研究の自由と教育の自主性への十分な保   障。
   とくに中期目標・中期計画の内容・作成手続き並びにそれ  に対する評価方法の規定に当たっては,この点に配慮。
 〇学長の任期について,法律で定める方法をとる場合には,大  学の個性の発揮,時代の要請に迅速に対応できる機動性の確  保を考慮して,その期間の範囲内において,各大学による自  主的な決定。
 〇学長の選挙方法や任期の考え方の早急な提示。
 〇役員会,運営協議会,評議会,教授会の組織,審議事項等に  ついて,学長がリーダーシップを発揮し得るように,適切な  レベルの法令で,明確かつ的確な規定がなされるよう注視。
 〇組織(役員会,運営協議会,評議会,部局及び部局長)の役割  ・権限は,大学の自主的判断により規定。
 〇大学運営を適切に行うための責務を負う執行体制の整備にお  いて,特に法制上その役割を担う役員の十分な確保の保障。
 〇役員数など法人化後の中枢運営組織の規模やその算定根拠等  の考え方の早期提示。
 〇国立学校設置法並びに関係法令(省令)で規定されている現行  の副学長制度についても,学内の構成上の観点から教授をも  って充てる部分等,大学の自主的判断で位置付けができるよ  う配慮。
 〇承継される委任経理金及びその他の外部資金について,年度  繰越しやその使途について弾力的運用が可能となるよう切   望。
 〇承認された中期計画について,変更の範囲・方法等について  弾力的な取扱いを要望。
 〇収益事業の範囲については,できる限り弾力的に運用できる  よう要望。
 〇学校法人や他の独立行政法人等との連携には,運営費交付金  をもって当てることができるよう要望。
 〇調査検討会議の中間報告から最終報告までペンディングとさ  れた組織運営の在り方,中期目標・中期計画の作成手順に関  すること,学長の選出方法に関すること等について,大学の  自主性・自律性を確保する上で,報告書以上に後退していな  いか。
 〇組織運営について,小規模大学,中規模大学の場合の具体的  な形も明確になっているか。
 〇附属学校教諭の場合,公立学校との相互的な人事交流は,人  材確保と人事の流動化を確保するための重要な方途である   が,非公務員型という身分上の問題から,それが難しくなる  可能性がある。そうした場合の対応は十分に検討されている  か。
 〇連合大学院及び附属学校の組織的位置付け。

D大学評価委員会の在り方
 〇適正な評価装置の確立
 〇大学評価委員会による具体的評価方法並びにその構成員の明  確化
 〇競争的資金の配分審査方法(審査員の選定,審査方法等)の  明確化
 〇評価結果の運営費交付金への具体的反映方法と大学側として  反論のできる実質的な仕組み
 〇評価結果に対する意見申立ての制度的保障等が必要。
 


4.法人化後の初代学長の選考について




















 

@ 法人移行時の学長を「学長となるべき者」に指名することが 望ましい。
 ・法人化の段階で改めて法人の長として然るべき組織で承認を  得る。
 ・中期目標・中期計画期間と学長の任期が合わなくなるので,  妥当であるか検討を要する。
 ・任期については,法人化後の規定にかかわらず,移行時の学  長の任期とする。
 ・平成15年10月1日に現に学長の職にある者を一律に0代学  長に任命する。(ただし,任期を16年9月30日までとし,  法人化後学長選考を行い,平成16年10月1日より事実上の  初代学長が就任する)

A 平成15年度中に初代学長を選考する。
  (法人化後の選考基準に基づき選考)
 ・その際,運営協議会は,現行の運営諮問会議を代行させる。
 ・法人化に際して初代学長を選考するべきであるが,移行時学  長任期の取扱いの検討が必要。

B 各大学の選択に任せる。