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山形新聞ニュース 2002年10月16日 水曜日
前向きな検討期待〜山大教育学部問題で知事
南東北の国立3大学間協議に伴い、存続か廃止かで揺れる山形大教育学部の問題で、仙
道富士郎学長が再編の受け皿になる「担当校」断念の意向を表明したことについて、高橋
和雄知事は15日の定例記者会見で「何らかの前向きなものが出てくるのではないかと期待
している」と強調、望みを捨てず学内の検討を見守る考えを示した。
県内の教育関係団体が反発している学長発言について、高橋知事は「経過説明のところ
で質疑応答があった際に、状況を説明したと思っている」と学長を擁護。「学長は県の提
案と県民運動を十分に尊重すると言っており、期待している」と述べた。
一方で高橋知事は「もし廃止のような事であれば、『こういうふうにすれば可能でない
か』と、さらに提案していく」とも述べ、あくまでも教員の計画養成にこだわる姿勢を強
調した。
さらに「どこかの学部に教員養成機能を残すのではなく、現在と同じ教員の計画養成を
指して申し上げている。認識が違うのであれば、基本から打ち合わせをして確認しながら
やっていく必要ある」と語った。
「世界で一つの案」〜山大教育学部長
山形大教育学部の石島庸男学部長は15日、教育学部同窓会(田中二男会長)が山形市内
で開催した母校創立124周年祝賀式で「(6年の一貫教育を行う)県の案は世界で一つの面
白い提案。財団で人件費を負担するというのは日本で初めて」と述べ、学部存続を目指し
て県が提出した試案を評価した。
来賓として出席した石島学部長は「世界の公立大で修士を出ないと先生にさせないとい
うのは、知っている限り初めて」と強調。県が財団を設立し、人件費や研究費を支援する
という点については「日本で初めての提案」と持ち上げた。
半面、「国立大が独立行政法人に移行した後の新しい法律で、クリアできるか分からな
い」とも述べ、これら県の提案内容を受け入れることができるかどうか微妙との認識を示
した。
石島学部長は「苦しい中、できる限り頑張っていきたいので、温かく見守ってほしい」
と祝辞を締めくくった。
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