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『東奥日報』2002年10月9日(水)付
小柴氏が昨年本紙でITER反対訴え
ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東大名誉教授は、二〇〇一年二月、IT
ER(国際熱核融合実験炉)の国内誘致に関する本紙の取材に応じ「ITER
が新しいクリーンなエネルギーの開発につながると考えたら大間違い」などと、
明確に反対の立場から持論を展開していた。東大本郷キャンパス内で約一時間、
穏やかな笑みを浮かべながら取材に応じた小柴氏だったが、ITERの問題点
に話題が及ぶと、一転厳しい口調となった。
“夢のエネルギー”と呼ばれる核融合については「重水素とトリチウムをぶつ
けてエネルギーを取り出せる核融合炉を本当に造るとすれば、経験したことの
ないような強力な中性子が大量に出てくる」と説明。「どうやってそれに耐え
る炉壁を用意するのか」と、中性子が炉壁を直撃して放射線損傷を起こすとい
う構造的欠陥を指摘した。
また「実際に使える核融合エネルギーというのは、今から二十年、三十年と地
道な研究が必要だ」とも述べた。
誘致の理由として、本県や六ケ所村が地域振興につながる点を挙げていること
に対しては「甘い夢を見すぎている。大きな施設を抱えたけど、結局モノにな らなかったらどうするのか」と、疑問を投げ掛けた。 |